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W杯、王国ブラジルはなぜ崩れたか。
福西崇史が考える、1-7の意味とは。
posted2014/07/25 11:00
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
Sports Graphic Number
最新号が配信されました。7月23日配信号の内容を一部ご紹介します。
<目次>
【1】《ブラジルW杯》 大会総括 ドイツ(1)
~ ドイツの勝因は柔軟性 ~
【2】《ブラジルW杯》 大会総括 ドイツ(2)
~ 最高の循環を生んだクローゼ ~
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【3】《ブラジルW杯》 大会総括 ドイツ(3)
~ クロース、シュバインシュタイガー、ラームの存在感 ~
【4】《ブラジルW杯》 大会総括 ブラジル(1)
~ 感じていたプレッシャー ~
【5】《ブラジルW杯》 大会総括 ブラジル(2)
~ ネイマール不在のダメージ ~
【6】《ブラジルW杯》 大会総括 3位決定戦の是非
~ 選手にとっては「なくてもいい」 ~
【7】《井戸端後記》雑談と反省と次号予告を兼ねた編集後記
~ 日記は苦手 ~
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【4】《ブラジルW杯》 大会総括 ブラジル(1)
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~ 感じていたプレッシャー ~
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―――改めてブラジルについてもお聞きしたいなと。
福西:うん。
―――準決勝ドイツ戦での1-7という大敗は、ブラジルにとってどういう意味を持つのかなと思いまして。
福西:ブラジルにとってどういう意味があるかは分からないけど、あの結果について、オレはすごく驚いた。あのブラジルがあそこまでの状態になってしまうということが。
―――はい。
福西:それだけのプレッシャーを背負っていたということだし、張り詰めていた糸がプツンと切れてしまったのが分かった。ブラジルでもああなってしまうのがサッカー。すごく単純な競技だけど、本当に難しいし、その時のメンタリティーが技術にも大きく影響する。すべてにおいてバランスが整って初めてチームとしての力が発揮されるし、そうじゃなければ壊れてしまうという怖さがある。
―――ホントにそうですね。サッカーをやっている人ならみんなそういう経験をしていると思いますけど、あのブラジルでも同じことが起こってしまうのかという……。
福西:だからこそ、W杯という舞台の難しさも分かるよね。ああいうことがあり得る。
―――ブラジルの糸が切れてしまったのは、2点目ですか?
福西:そう、2点目。メンタリティーさえ充実していれば「まだ跳ね返せる」となるけど、あの日のブラジルはそうならなかった。
―――はい。だから、あの試合から言えるのはブラジルとドイツの間に6点分の力の差があったということじゃないですよね。それよりも、サッカーというスポーツが、いかにメンタリティーによって支えられているかということじゃないかなと。
福西:間違いないよ。日本もそう。個人の力、チームの力があっても、それを発揮できなければ負けてしまうんだから。