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レーブ&クリンスマンの「師弟対決」。
ドイツ、アメリカが揃ってG組突破。

posted2014/06/27 11:25

 
レーブ&クリンスマンの「師弟対決」。ドイツ、アメリカが揃ってG組突破。<Number Web> photograph by Getty Images

試合を終え、双方がグループリーグ突破を決めたアメリカを率いるクリンスマン(左)とドイツを率いるレーブ(右)。次に顔を合わせるとすれば決勝まで勝ちあがるしかないが……。

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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 大会前の予想では、グループGを独走するのはドイツで、次いで2位の座をアメリカかポルトガルが争うであろうということになっていた。

 迎えた初戦、ドイツがポルトガルを4-0という大差で下し、アメリカも危なげなくガーナから勝ち点3を奪った時点では下馬評通りと言えた。ところが第2戦、ポルトガルとガーナが意地を見せた。ポルトガルは敗戦まで秒読みに入った後半ロスタイムに追いつき、ガーナも結果は勝ち点1にとどまったものの、ドイツを一時は逆転してみせた。初戦で結果を出せなかった両チームの踏ん張りには胸を打たれたし、翻って我らが日本代表の不甲斐なさを際立たせて見せた。ああこの頑張りが、走りが、シュートが、勝利への執着が日本にもあればと切なくなったものだ。

 第3戦は勝ち点4で並ぶ首位ドイツと2位アメリカが対戦。3位ガーナと4位ポルトガルは共に2戦を終えて勝ち点1を得ているため、第3戦の結果次第では決勝トーナメント進出が可能。だがドイツとアメリカが引き分けてしまえば、ガーナとポルトガルに可能性はない。ドイツとアメリカが圧倒的に有利な状況だとはいえ、全チームに可能性が残った状況で第3戦を迎えたわけだ。

ドイツの新聞が、クリンスマンの顔写真にいたずら。

 こうなると、ドイツとアメリカが手打ちをして引き分けを狙うのではないかと、憶測が飛ぶのも無理はない。何しろ、アメリカの指揮官であるユルゲン・クリンスマンは'06年ドイツ大会でドイツ代表の監督を務めた人物。当時のアシスタントコーチで公私ともに厚い信頼関係を築いているとされるヨアヒム・レーブが監督を引き継いでいるのだから、仕方がない話だ。

 だが、勝負の世界はそう簡単ではないようだ。組み合わせが決まった昨年12月から、クリンスマンのアメリカとの対戦はドイツ中が楽しみにしていた、まさに注目の一戦。試合当日の26日、大衆紙「ビルト」は試合当日にクリンスマンの顔写真に子供のいたずらのようなCG加工を施し「試合後はこんな風になるでしょう」と絵解きをつけた。

 その写真でクリンスマンはぼこぼこに殴られて目には痣、額は切れ、頭上には星と鳥が飛び、舌が飛び出している。大の大人が、新聞紙面を使って行うこととは思えない。日本人だったらもしかしたら、ムキになって名誉毀損だ! などと言うかも知れないレベルのいたずらだ。

【次ページ】 クリンスマンの愛弟子2人が先発で登場。

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