ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
関塚ジャパンのロンドン行きは確実!?
だが……敵はサッカーだけじゃない。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/07/13 10:30
アウェイでのクウェート戦の時も、灼熱の暑さには翻弄された関塚ジャパン。サッカーの実力だけでは計れない壁が、アジア最終予選では待ち受けている
9月21日からスタートするロンドン五輪のアジア最終予選の組合せが発表になった。日本はグループCに入り、バーレーン、シリア、マレーシアと同組。グループAでサウジアラビア、カタール、オマーンという中東3カ国に包囲された韓国や、イラク、ウズベキスタン、UAEという強豪が集った「死の組」に入ったオーストラリアと比較すると、日本の対戦相手は非常に恵まれた感が強い。関塚隆監督も「グループBじゃなくて良かった。Bは、強豪が揃った印象を受ける」と、素直に本音を漏らしている。
実際、バーレーンはFIFAランク102位、2月には中東遠征で対戦し、2-0で勝っている。中東の得意の堅守速攻ではなく、どちらかと言えばパスを繋ぐサッカーなので、日本にはくみしやすい相手になる。
マレーシアは、FIFAランク144位、昨年11月の広州アジア大会で対戦し、2-0で勝っている。選手個々の能力、チーム力では大きな差があり、決して難しい相手ではない。
格下マレーシアとのホームでの初陣で、日本は勢いをつけられるか?
シリアは、FIFAランク109位で北京五輪2次予選で対戦し、ホーム&アウェイで2連勝している。ただ、3チームの中では、最も注意すべきチームだ。今年1月のアジアカップで日本代表が対戦した時、高い身体能力を活かした鋭いカウンターに手を焼いた。2-1で勝利したが、かなりの苦戦を強いられたのだ。
シリア代表の堅守速攻というスタイルを当然、五輪世代も引き継いでいるものと思われ、スタイルは強固かつ明確だ。GK権田修一も「アジアカップでは、シリアにすごく追い込まれた記憶がある。それだけにシリアとのアウェイの試合は、より大事になってくる」と、シリアを非常に警戒している。それだけにチーム分析を綿密に行い、しっかりとシリア対策を講じていく必要がある。
シリアは不気味だが、対戦国同様、対戦スケジュールも比較的、恵まれた。
「初戦にマレーシアと対戦できるのは、大きい」と東慶悟が言うように、9月21日のホームの初戦で一番格下のマレーシアと対戦できるのは、スタートとしてはベストだ。「どんな予選でも最初が肝心」と、シドニー五輪最終予選、ドイツW杯最終予選を戦った宮本恒靖は言うが、初戦を取れば勢いがつく。