ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
関塚ジャパンのロンドン行きは確実!?
だが……敵はサッカーだけじゃない。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/07/13 10:30
アウェイでのクウェート戦の時も、灼熱の暑さには翻弄された関塚ジャパン。サッカーの実力だけでは計れない壁が、アジア最終予選では待ち受けている
高温多湿との戦いが鍵となるマレーシア戦。
もうひとつ、ヤマがあるとすればアウェイのマレーシア戦だろう。マレーシアは高温多湿で日本とも中東も環境が違う。
ドイツW杯1次予選シンガポール戦は、日本で入念な事前準備をしながら試合2日前に現地入りした欧州組を起用した。だが、高温多湿の環境に体がついていかず、足が止まり、後半は防戦一方になった。「いつ、やられてもおかしくなかった」と、宮本は言ったが、藤田俊哉のゴールでなんとか2-1と振り切った。
2月の日本は、まだ寒く、汗腺も開いていない。試合前にコンディションを調整し、現地の気候に順応する作業をしなければ、このシンガポール戦と同じ轍を踏む可能性はある。
「五輪出場の流れを断ち切るわけにはいかない」と東の熱い決意。
「自分らの代で、五輪出場の流れを断ち切るわけにはいかない。U-20W杯も出ていない自分たちにとっては、ロンドンは最後の世界へ通じる大会なので、最終予選はトーナメントの気持ちで挑んで突破したい」
東は、熱く、そう語る。
だが、U-22日本代表の目標は、最終予選突破ではないはずだ。過去、史上最強と言われたシドニー五輪代表でも成し得なかったメキシコ五輪以来のメダル獲得であろう。そのためには、関塚監督の「2次予選以上のスケールアップと精度を高めていくことが必要」と言うようにチーム力を底上げしつつ、比較的、恵まれた今回のアジア最終予選を圧倒的な強さで突破するのが、メダルへの道の最初のミッションになる。