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広い広〜い中国。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

posted2008/08/07 00:00

広大な敷地に各競技場が。歩くのは大変 中国は広大である。

 着いて2日目、下見がてら各競技会場へ練習を見に行った。

 それぞれの会場は、地図上では隣接しているかのように描かれている。記者やカメラマンの作業の拠点となるメインプレスセンターから見渡しても、それほど遠さを感じない。ところがいざ歩くと実際はそうではないことに気づかされる。

 建物があまりにも巨大なので、近く思えるだけなのだ。しかも敷地にゆとりのある作りになっているからなおさらだ。今日の気温は32度、それほど暑さを感じないが、結局シャトルバスを利用した。

 あまりにも広い敷地に緑が生い茂り、建設したてのきれいな建物が点在する。それはどこか無機質で、東京・お台場を連想させた。各会場の周囲はフェンスで張り巡らされている。多くの観光客がフェンス越しに写真を撮っているのが見える。

 「北京市民もですが、地方から来ている人も多いです」

 バスに乗車しているボランティアスタッフがそう教えてくれた。

 あちこちをまわり、夜はホッケー会場へ。日本女子代表の練習を見たかったが、急遽キャンセルしたのか早めに切り上げたのか、姿はなかった。

 スタンドに上がると、練習していたのは中国の女子代表だった。コーチの激しい指示のもと、ハードなメニューに取り組んでいる。

 日本と比べて、ひと目で違いが分かるのが体格だ。遠めには男子のようだ。他の競技でも体格差は課題だが、ホッケーでも同じ課題と立ち向かうことになるだろう。

 見ていると、中国のボランティアスタッフたちが、なぜか駆け寄ってきた。

 「Why do you here?」とか、ともかくなぜここにいるのかと尋ねられた。

 取材だ、と記者証を見せると、国籍を尋ねられた。

 「Japanese」

 すると「出て行け」と言う。どうしてか尋ねても、出て行けの一点張りだった。素直にスタンドを後にした。

 中国の練習は非公開だったのかもしれない(ヨーロッパのテレビクルーもいたが、何も言われることはなかったが)。

 スパイと思われたのかもしれない。とすれば、それだけ日本チームが意識されている、日本は強いと認識されているわけだ。そう勝手に想像すると、妙な嬉しさを覚えた。

 こうして、会場を駆け巡った2日目は終わった。

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