テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「1人選ぶならオオタニだ」メジャー最強左腕からの挑戦状、番記者は「父親として大谷に聞いてみたいことが」
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/08 11:04
オールスターで超一流選手が語った“大谷翔平評”と、本人の立ち振る舞いとは
午後2時。ホール内は半袖では寒すぎて風邪をひいてしまわないか心配になるほどに空調が効いていたが、これもアメリカ特有の空調管理。いつまで経っても慣れない。まずは両軍監督、両軍先発投手が壇上に上がり、球宴本番のスタメンが発表され、会見がスタートした。
最強左腕が「一人選ぶならオオタニだ」と語るワケ
壇上で気になる発言があった。ア・リーグの先発を務めるタイガースの昨季サイ・ヤング賞左腕タリク・スクバルが「誰と対戦するのが最も楽しみか?」と聞かれて、こう語った。
「一人選ぶなら大谷。投手と打者の両方で成し遂げていることは本当に素晴らしい」
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現役最強左腕と称されるスクバルに敬意を表された形の挑戦状だ。
この後にナ・リーグ、ア・リーグの順で45分間ずつ一斉に選手がブースで取材に応じる時間が設けられるが、私はまずこのスクバルの言葉を大谷に当てる必要があると感じた。大谷のレギュラーシーズン中の取材対応は試合後に限られるため、その日のプレー中心の質疑応答にならざるを得ないが年に一度のこの機会は少し意味合いが違う。
コンディション維持のため、これまで10時間以上も眠るほど、睡眠を大事にしてきたが、4月に第1子の長女誕生以降は生活リズムの変化をむしろ楽しんでいるように見えていた。当時の大谷の「父親リスト入り」が話題を呼んだように、大谷の育児の向き合い方は大きな関心事。そっとしておきたい気持ちと同様に、私自身も3歳の娘を持つ父として“この場でしか聞けない”質問として最も多忙を極めるスーパースターの生き方を知りたい。大谷が答えてくれるかどうかはさておき――そんな葛藤を抱きながら、両軍監督と先発投手の会見に聞き入った。〈つづく〉

