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WBC侍ジャパン“相次ぐリリーフ投手の離脱”で浮上する問題…開幕からの3連戦をどう凌ぐか? 井端弘和監督が考える「投手陣フル稼働の臨戦態勢」
posted2026/03/02 11:07
リリーフ陣が相次いで離脱するという“緊急事態”になった侍ジャパン。井端弘和監督は「投手陣フル稼働の臨戦大勢」でWBCに臨むという
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
緊急登板――。
試合の中で必ず起こるアクシデントに、どう対処していくのか、いけるのか。それもワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦い抜く日本代表にとって、必要なリスクマネジメントの一つである。
クローザー候補・大勢のアクシデント
ヒヤッとしたのは2月27日の中日との壮行試合だった。
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侍ジャパンが3点リードの9回。井端弘和監督が送り出したクローザー候補の一人、大勢投手(巨人)にアクシデントが起こった。2死一塁から中日のブライト健太外野手に三遊間を破る安打を打たれた直後に、大勢がマウンド上で右足を気にする仕草を見せた。ベンチから駆け寄ったチームスタッフと共に、マウンドを降りるとそのまま降板してしまったのである。
この緊急事態に急遽、マウンドに上がったのが高橋宏斗投手(中日)だった。ブルペンで2球投げてマウンドに走る。高橋は先頭の石川昂弥内野手には中前安打を浴び2点差とされたが、村松開人内野手を二直に打ちとり、“プロ入り初セーブ”をマークした。
試合後の井端監督は高橋投入をこう説明した。
「一応、何かあった時の予備としてスタンバイしてもらっていた。準備することは最初から伝えていました」
大勢は投球時に右ふくらはぎがつっただけで、大事には至らず首脳陣もホッと一安心だった。しかしこのアクシデントで、これから本番に向けての投手編成で一つの課題が改めて浮き彫りになったのは確かだ。
リリーフ陣の相次ぐ離脱で再編成が急務
平良海馬投手(西武)、石井大智投手(阪神)に松井裕樹投手(サンディエゴ・パドレス)と相次ぐ救援陣の故障による離脱で、本番を前に急務となったリリーフ投手の再編成。もちろん井端監督も離脱した3投手の代替選手には同じリリーバーの招集を模索したが、最終的にリリーフ専門投手で確保できたのは藤平尚真投手(楽天)だけだった。あとは隅田知一郎投手(西武)と金丸夢斗投手(中日)と先発タイプの投手の補充となった。
大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)の投手起用の可能性がなくなったことで、投手陣の総数自体が前回大会の15人から1人減の14人と少ない。その中でリリーフのスペシャリストは前出の大勢と藤平に松本裕樹投手(ソフトバンク)を加えた3人だけという布陣となってしまった。


