高校サッカーPRESSBACK NUMBER
「ワシの言うこと聞けば天下獲れるわ」精神論でも体力自慢でもない高校サッカー初三冠・東福岡伝説「雪の決勝直前…」「黄金世代のU-20代表に4人」
posted2026/01/18 11:02
1997年度、高校サッカー三冠を達成した東福岡。人気は頂点にあった
text by

生島洋介Yosuke Ikushima
photograph by
Kyodo News
全国高校サッカー選手権連覇とDFにして得点王、世代別代表に名を連ねた逸材・金古聖司さん(45歳)が当時と今の秘話を語ってくれました。〈NumberWebインタビュー全4回/第2回〉
史上初の三冠は精神論でも体力自慢でもなく…
2025年度の高校サッカー界では鹿児島の神村学園がインターハイと選手権の「夏冬二冠」を達成したことが話題になった。そんな今からさかのぼること28年前、それを上回る史上初の「三冠」を成し遂げた伝説のチームがある。
1997年度の東福岡だ。
夏のインターハイでは中田浩二や木島良輔を擁した帝京に4-3で競り勝ち、秋の全日本ユース(現高円宮杯U-18プレミアリーグ)では小野伸二を擁する清水商を3-2で撃破。冬の選手権はいわゆる「雪の決勝」で再び帝京を倒し、通算49勝2分無敗の記録が残った。
ADVERTISEMENT
ピッチで躍動したのは、流麗なパスワークにアクセントをつける本山雅志と宮原裕司、パワフルな左足を持つ古賀誠史、快足アタッカーの古賀大三といった攻撃陣や、最終ラインを引き締めるキャプテンの手島和希、2年生ストッパーコンビの金古聖司と千代反田充ら個性豊かで、後にJリーグや世代別を含めた日本代表でも活躍する面々。彼らが表現した圧倒的なパフォーマンスは、決して精神論や体力自慢によるものではなかった。
「ワシの言うこと聞けば、天下獲れるわ」
指揮官である志波芳則は、パスをつなぎ、相手を崩すサッカーを明確に志向していた。
「当時は珍しかったと思うんですけど、東福岡のサッカーには明確な“教本”のようなものがあったんです。悪い時はここに戻ればいい、という立ち返るべき場所が」
金古がそう振り返るコンセプトのルーツは、志波監督とともに指導にあたった寺西忠成コーチ(故人)にあった。

