W杯の登録は26人なので、FWを4人ではなく5人にするなら、町野、古橋、大迫、負傷中の浅野拓磨のなかから3人を選ぶことができる。個人的には追いかける展開では2トップにしたいので、高さのあるFWが2人ほしい。そうなると、大迫と上田でしょうか。コンディションが万全になれば、大迫が戻ってくる余地はあると考えます。

　旗手怜央を使わなかったのは……グループのなかで戦術的な理解を進める狙いがあったのかもしれません。これまでも日本代表ではなかなか出場していませんが、チャンピオンズリーグ（CL）での彼を見ているだけに、そのプレーを確認したかったところです。

　旗手と瀬古歩夢は、この2試合で1分も試されませんでした。起用された他の選手に比べると、彼らの立ち位置は難しいと言わざるを得ません。ただ、所属クラブでのパフォーマンスは見逃せず、旗手はセルティックでCLも戦っている。チャンスはまだあるでしょう。

アメリカ戦、エクアドル戦ともに出場機会のなかった旗手怜央　©Getty Images

“論点”の左SBに求められるプレーとは

　守備のブロックは、ほぼ固まったと見ていいのではないでしょうか。右サイドバックは酒井宏樹と山根視来、CBは吉田麻也、冨安健洋、谷口彰悟、伊藤洋輝の4人です。谷口はエクアドル戦でPKを与えてしまいましたが、それ以外は大きな綻びを作っていません。板倉滉がケガから戻ってきた場合、瀬古と入れ替わりでCBに入るのでは。

　左SBでは、中山雄太に安定感が出てきた印象です。中山も伊藤も3バックの左CBとしての起用も見込めます。

　長友佑都はエクアドル戦での守備が再評価されました。彼のキャラクターや大一番に強いところは、一緒にプレーした僕も十分に理解しています。

長友佑都はエクアドル戦で対人能力の高さを示した　©Kiichi Matsumoto

　小さな気掛かりは攻撃への関与です。今回は三笘との縦関係でしたので、三笘を生かそうとひとつ内側のレーンに何度か入っていました。内側に入ることで大外のレーンにいる三笘へのパスコースは確保されやすくなるのですが、受ける場所は三笘にとって通常よりも少し低い位置になっていました。

　三笘がもっとも力を発揮するのは、エクアドル戦の後半に南野のシュートにつなげたような相手陣内の深い位置です。ペナルティエリアの角から勝負させることで、得点関与率は上がっていきます。

　三笘との縦関係なら、内側を抜ける以外にもサポートの形を作る。ウイングタイプではない南野との縦関係では、タッチライン際を駆け上がる。このチームの左SBには、そういう使い分けが求められます。

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