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W杯前“最後のアピール”に成功した選手は? 中村憲剛が欧州遠征を総括「なんと言っても鎌田大地」「相馬勇紀が26人に残る可能性も」

posted2022/10/04 17:02

 
W杯前“最後のアピール”に成功した選手は? 中村憲剛が欧州遠征を総括「なんと言っても鎌田大地」「相馬勇紀が26人に残る可能性も」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

4-2-3-1で自身の強みを存分に発揮した鎌田大地。フランクフルトでも好調を維持しており、W杯で日本代表の攻撃の中心を担うことが期待される

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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Kiichi Matsumoto

 W杯直前にふさわしい2試合だった。

 アメリカ、エクアドルと対戦した9月の欧州遠征で、日本代表の森保一監督はW杯を見据えたテストを行なった。従来の4-3-3ではなく4-2-3-1にシステムを変え、多くの選手を起用した。

 元日本代表MFの中村憲剛氏は、「収穫の多い2試合でした」と語る。システムから選手個々の評価について、今回も分析をしてもらおう。(全2回の1回目/後編へ)

◆◆◆

 アメリカ戦とエクアドル戦を4-2-3-1で戦ったことについては、いくつかの理由が考えられます。

 グループステージで対戦するドイツ、コスタリカ、スペインを分析し、自分たちの4-3-3に照らし合わせたときに、アジア予選ほどボールを握れない、相手にボールを持たれる時間が長くなる展開が予想できると思います。そこで、ボールを保持され続けると穴ができやすくなる4-3-3ではなく、DFとMFの並びを4-4の2ラインにすることで穴ができにくい4-2-3-1を、このタイミングで試しておきたかったのではないかと。4-3-3についてはすでに試合を重ねているので、それ以前に使用していた4-2-3-1の再確認を優先したとも考えられるでしょう。

 システムより選手の調子を見たうえで4-2-3-1にした、という言い方もできると思います。その最たる選手が所属チームで調子のいい鎌田大地であり、彼の良さがより生かされるシステムで使ったのかもしれません。鎌田の存在が今回のシステム変更のきっかけのひとつになったのではないか、と言いたくなるくらいの存在感でした。さらに言えば、6月シリーズは途中離脱に終わった守田英正が、戦列に戻ってきたことも関係しているかもしれません。

 どちらか1試合で4-3-3を試すかなと思ったのですが、W杯直前の貴重な2試合を4-2-3-1で戦ったとなると、こちらが主戦術になるのではという想像もできます。ひとつ言えるのは、現在の日本代表の顔触れを見ると、4-3-3より4-2-3-1のほうが選手の起用法の幅が広がる、ということです。

アメリカ戦で得た「4-2-3-1」の手ごたえ

 4-2-3-1での手ごたえは、森保監督にとって一定以上のものだったのではないでしょうか。それは、1戦目と2戦目でスタメンを総入れ替えしたことからうかがえます。

 アメリカ戦で課題が多く残ったならば、次のエクアドル戦でも同じメンバーで戦い、アメリカ戦の課題を解消しながら、本大会に向けたチームとしての戦い方を定めていく選択をすると思います。しかし、森保監督はスタメンを総入れ替えしました。「アメリカ戦のメンバーが、4-2-3-1で戦うとこうなる」というものが、ある程度見えたからだったのでしょう。

【次ページ】 有効だった前田大然のプレスと連動した守備

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