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リーグ中断の可能性も? 八村塁のウィザーズで7選手が陽性判明…世界の“見本”となってきたNBAの行く末は
 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2021/01/19 17:15

リーグ中断の可能性も? 八村塁のウィザーズで7選手が陽性判明…世界の“見本”となってきたNBAの行く末は<Number Web> photograph by AP/AFLO

八村塁も出場したサンズ戦(現地時間11日)以降、延期を発表したウィザーズ

昨季は“バブル”を作って成功したNBA

 昨シーズンは外の世界から隔離された“バブル”を作ってシーズン終盤とプレイオフを戦い、バブル内での感染者をひとりも出さなかったNBAだが、今シーズンはバブルや一ヵ所での集中開催はせずに、各ホームコートでの試合を行っている。バブル開催は感染の面では安全だが、家族と離れた中で長いシーズンを送ることは可能な限り避けたいというのが、関係者の一致した声だったのだ。

 今季も、感染者が増えないような対策はできる限り取っている。選手やコーチ、彼らと日常的に接するスタッフは毎日1回、試合の日は2回、検査を受けている。陽性者が出た場合、すぐに隔離されるのはもちろん、濃厚接触者も割り出して隔離する。そのために、選手やスタッフは試合以外の場ではトラッキングのデバイスの着用も義務付けられている。試合中の接触に関しては、パフォーマンスを測るために使われているトラッキングデータを活用して、選手間の接触時間を確認しているという。

現段階ではリーグ中断を考えてはいないが

 ただ、それだけの対策を取っていたのに、ウィザーズの中から一度に6人の感染者が出たことは気になる。感染者が出たのも、試合が延期になったのも、ウィザーズだけに起きていることではないが、これまでは隔離対象となった選手の大半が濃厚接触者で、1チームの選手が一度に6人感染判明するのは初めてのことだ。

 NBAでは試合中の濃厚接触者を、アメリカ疾病予防管理センターの定義に従い、6フィート(約183cm)以内に15分以上と定めているが、激しく動きまわり、激しく呼吸をする試合中での接触をふだんの生活と同じ定義で測ることに無理があるのかもしれない。感染力が高い変異種の影響もあるのかもしれない。ウィザーズの感染がすべてコート上での感染だったとすると、シーズンを中断する以外に感染を止める方法はなさそうだ。

 実際、毎日のように試合が延期されるなか、外野からはシーズンを中断したほうがいいのではないかとの声も出ている。現時点でNBAはシーズン中断を考えていないというが、専門家と相談しながら、必要なときには中断の判断をするリーグであることは昨季、どのリーグより先に中断の判断をしたことで証明している。

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