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<天才が語る過去と未来>
四日市中央工・小倉隆史
「28年目のレフティ・モンスター」
posted2020/01/19 15:00
![<天才が語る過去と未来>四日市中央工・小倉隆史「28年目のレフティ・モンスター」<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/1500wm/img_97296fe6c56dcbc59a142647fd236826344232.jpg)
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![金子達仁](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
金子達仁Tatsuhito Kaneko
photograph by
Hirofumi Kamaya
あまりに劇的な活躍で選手権史に伝説を築いた怪物。強烈な左足から彼に異名を授けた若き記者は、後に『28年目のハーフタイム』なる代表作をものす。奇しくもあの決勝から28年、再会は果たされた――。(Number995号掲載)
怪物は、最初から怪物だったわけではない。
少なくとも、第69回全国高校サッカー選手権に出場した2年生の小倉隆史に、1年後の片鱗を見出すことは難しかった。
彼と四日市中央工は、初戦で姿を消した。1-5という惨敗だった。
「相手は習志野。ボールをつないでくるチームってイメージがあったんですけど、いざ試合になったら向こうは蹴ってきた。それでパニック。うちは2年生中心のチームだったんで、想定外の事態に対する対応力がまったくなかった」
会場となった習志野・秋津サッカー場のピッチは、前日からの雨と霜で荒れていた。習志野の指揮官は、後に流通経済大柏を率いてその名を全国に轟かせることになる、本田裕一郎だった。このカードは前年度の選手権、さらにはこの年のインターハイでも実現しており、いずれも四中工が勝利を収めていた。
今ならばわかる。習志野がやり方を変えてきたのは必然だった。変えてこない方が不思議だった。だが、2年生を中心としていたチームに、そこまでの洞察力はなかった。意気揚々と、しかし無防備のまま臨んだ試合で、彼らは哀れなほどに蹂躙された。
「会場は完全に習志野の地元でしょ。なのに、最後の方はスタンドから“かわいそうやな”みたいな空気が流れてたの感じましたもん」
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