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<ロシア大会総括>ピエール・リトバルスキー「90分続く総力戦の時代」 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2018/08/01 15:00

<ロシア大会総括>ピエール・リトバルスキー「90分続く総力戦の時代」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

モドリッチのように、どのポジションでも戦術を遂行する対応力のある選手が求められる。

 王者は何故無残に敗れたか。日本の見せた可能性とは。
 チームにも選手にも求められる基準が極限まで高まった「総力戦」の様相が露わになったのが今大会だった。
 母国と日本を愛する名手が、最新トレンドを読み解く。

――今大会は波乱が相次ぎました。ドイツ代表のグループリーグ敗退などは象徴的だといえます。予想外の不振の原因はどこにあったのでしょうか?

「まずゲームのテンポ自体が遅いだけでなく、守備から攻撃への切り替えも切れ味を欠いていた。サッカーそのものも驚くべき要素や、ひらめきにあふれるプレーはなかったと思う。チーム内の雰囲気に関して述べれば、ハングリーではない選手も何人かいた印象を受ける。結果、チームには軸となるものが全くなかった」

――4年前のドイツは、最も先進的な攻撃的サッカーをするチームの一つでした。しかし戦術的には、同じレベルを維持できていない。退化したような印象さえ受けます。

「予想外の敗退を喫した有力チームには、すべて共通点がある。戦術の進化が止まり、徹底的に分析され尽くしていたことだ。アルゼンチン然り、スペイン然りだが、同じことはドイツにも当てはまる。

 たしかにドイツはブラジル大会で、先進的なサッカーをしていた。世界の頂点にも立ち、自分たちの評価を確立している。

 だがエジル、ミュラー、ケディラ、ボアテンクなどの主力組は4年分だけ歳を重ねているし、コンディションが優れない選手もいた。比較的、好調を維持していたのはクロースだけだろう。レーブ監督はチーム作りの過程で、従来の選手起用に少しこだわりすぎたのかもしれない。

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