Before The GameBACK NUMBER
悲運と言い訳の永遠のカクテル。~誤審でW杯を失った北アイルランドの消えない記憶~
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph byGetty Images
posted2017/12/01 16:00
11月12日の第2戦でドローに終わり、W杯出場を逃して放心状態の北アイルランドイレブン。
アズーリのいないワールドカップ(W杯)はさみしい。そのことについては別のページが割かれるだろう。
本欄では北アイルランドの不在を書きたい。
いまアイルランド島北部における「大衆の敵」ナンバーワンは、あるルーマニア人の医師で間違いない。
オヴィディウ・ハツェガン。
ティミショアラのビクトル・バベシュ医科薬科大学卒業。37歳の男にはもうひとつ問題の仕事がある。サッカーのレフェリーだ。
ベルファストのウィンザー・パーク。北アイルランドのフットボールの聖地である。かつては凸凹の芝が悪評だった。そのころホームの代表はロングボールばかりを放り込んだので都合がよかった。