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ランを“ブーム”で終わらせないために。
東京マラソン仕掛け人・早野氏の発想。

posted2017/10/18 16:50

 
ランを“ブーム”で終わらせないために。東京マラソン仕掛け人・早野氏の発想。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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Kiichi Matsumoto

 9月28日、Number Sports Business College(NSBC)」第12回のゲスト講師である早野忠昭氏は、今や日本最大の市民マラソン大会となった「東京マラソン」のこれからについて、こう語った。

「参加人数も増やしたいですね。現状の3万6000人から4万人までいけたら……」

 そこで自身も東京マラソン出場経験のある池田純氏からこんな指摘が飛んだ。

「ランニング人口って増えているんですか。今日も皇居なんか見ていると、一時期よりも走っている人が減ったような。これからの課題は女性ですか」

 東京マラソンが始まった2007年頃からランニングブームが到来し、いわゆる「皇居ランナー」の出現などランニング人口は飛躍的に増えた。ただ、その「ブーム」も頭打ちになったと早野氏は考えていた。

「東京マラソンが始まった後、ランニング人口は15%という画期的な増え方をしたと言われていて、ランニングにおけるBC(紀元前)、AD(紀元後)という言い方をされたりもします。その後、市民マラソンも増えましたが、ここに来て踊り場状態かなと私は分析しているんです。ただ、私はブームという言葉が一番嫌いで、ブームには終わりがある。だから終わらない仕組みを会社の中に組み込んでいかないといけないんです」

「働く女性に『走らないんですか?』と聞くと……。

 これまでランナー、ボランティア、スタッフ、企業などすべての人を巻き込むコンテンツを増やしていくことで東京マラソンを成長させてきたが、今後は国や陸連を巻き込み、外側から変えていく必要があるという。

「例えば働く女性に『走らないんですか?』と聞くと、逆にいつ走るんですか? という現実的な答えが返ってくる。国が健康寿命を延ばそうと言ったって、いつやるんだ? となります。だから我々は企業別コーポレートフィットネスランキングというのを作ったりして外堀から埋めていこうということに、今トライして、粘っているというところです」

【次ページ】 「人間にとってのランとは?」という命題。

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