テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「ショウヘイは最高の先発の1人。役割は…」ドジャース敏腕本部長も“本塁打王争いシュワーバーと対決”大谷翔平も…PS前哨戦、異例の光景
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byRonald Martinez/Getty Images
posted2025/09/23 06:02
大谷翔平が所属するドジャースとフィリーズ。ポストシーズンに向けての前哨戦はグラウンド外でも始まっていた
フィリーズのクラブハウスではシャンパンファイトが行われ、ビールとシャンパンの泡が次々と飛び散り、選手たちが吸う葉巻の煙で充満。爆音のクラブミュージックが流れ、昨季までドジャースに所属したウォーカー・ビューラーが上半身裸になるなど、選手たちが歓喜に沸いていた。
前回登板から中10日での登板日を迎えた翌16日。大谷はなかなか球場に姿を現さなかった。
結局報道陣向けにクラブハウスが開いている15時50分まで姿を現さず、半袖、短パン、ビーチサンダル姿で球場入りしたのは試合開始約3時間前の16時7分。先発登板日の球場入りは遅めとはいえ、ルーティンに忠実な大谷にしては珍しい。気になる変化だった。
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試合前の記者室にはブルワーズやダイヤモンドバックスなど既にPS進出を決めている球団のスカウトや、その可能性のある球団のスカウトが多数関係者に挨拶に訪れていた。
ポストシーズンがいよいよ始まる。熱気はグラウンド外からも伝わってくる。
大谷のスーパーパフォーマンスを知る由もなかった
試合開始30分前になると大谷がグラウンドに登場。私はいつものように記者室のある5階から7階の左翼スタンドの最上段に向かった。シュワーバーだけでなく、ブライス・ハーパーらを擁する強力打線との対戦に向けて、大谷が準備を進めるブルペンの周りにはいつものように人だかり。この時はまだこれから起こるスーパーパフォーマンスを知る由もなかった。〈つづく〉

