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「いざというときの森保さんはスゴい」森保一監督56歳の執念…当時の広島関係者が証言「まだ24時間ある」徹夜で仕事「他クラブでは“ぬるさ”を感じた」
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木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2024/12/07 11:02
11月15日、W杯最終予選インドネシア戦(ジャカルタ)。大雨が降るなか、テクニカルエリアで戦況を見つめる森保一監督(56歳)
「現代では使ってはいけない言葉かもしれないですけど、私自身は睡眠を取らずとも、24時間サッカーのために、24時間戦うっていう気持ちでいます。ただ、心身ともにリフレッシュしなければいい判断をできないということも、これまでの経験でわかっている。私自身は日本国内で活動させて頂いていますが、ヨーロッパでプレーしている選手が多いので、ヨーロッパ時間で仕事をする日も多い。休むところは休んで仕事をしています」
ヨーロッパの主要リーグでプレーしている日本人選手は80人以上と言われており、コーチたちと手分けをしても試合をチェックするには長い時間を要する。週末はJリーグ視察後に日本時間の深夜までヨーロッパの試合をライブ視聴し、週明けは朝から晩まで部屋にこもって何試合もチェックする。自分の時間より、チームの時間。
そのひたむきさと執念は、選手たちにも届いているはずだ。日本代表の活動時に話をすれば、試合をどこまで細かく見ているかすぐにわかる。
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森保監督は自らの振る舞いで「チームファーストの姿勢」を示し、高い基準をつくり上げるタイプの指揮官である。
<続く>
森保一(もりやす・はじめ)
1968年8月23日、静岡県生まれ。長崎県出身。1987年に長崎日大高を卒業後、マツダサッカークラブ(現・サンフレッチェ広島)に入団する。現役時代は、広島、仙台などで活躍し、代表通算35試合出場。1993年10月にドーハの悲劇を経験。2003年に現役引退後、広島の監督として3度のJ1制覇。2018年ロシアW杯ではコーチを務め、2021年東京五輪では日本を4位に、2022年カタールW杯ではベスト16に導いた
