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「いざというときの森保さんはスゴい」森保一監督56歳の執念…当時の広島関係者が証言「まだ24時間ある」徹夜で仕事「他クラブでは“ぬるさ”を感じた」 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2024/12/07 11:02

「いざというときの森保さんはスゴい」森保一監督56歳の執念…当時の広島関係者が証言「まだ24時間ある」徹夜で仕事「他クラブでは“ぬるさ”を感じた」<Number Web> photograph by AFLO

11月15日、W杯最終予選インドネシア戦(ジャカルタ)。大雨が降るなか、テクニカルエリアで戦況を見つめる森保一監督(56歳)

「まだ24時間ある。それだけあれば十分だ。チームの勝利を1%でも高めるぞ!」

 森保らは、徹夜で分析映像を完成させてミーティングに間に合わせた。

「他のクラブでは“ぬるさ”を感じた」

 スタッフのひとりはこう振り返る。

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「森保さんのいざというときの『勢い』は本当にすごかった。『やるしかないだろう』という腹の括り方がすごい。度胸の使い方を知っているとでも言うんですかね。もしかしたら一緒に働かないと、この迫力はわからないかもしれません」

 特に感銘を受けたのが、細部にこだわる執念だったという。

「絶対に失敗できないという思いがあったんでしょう。一晩通して試合を何度も見返して、ああでもない、こうでもないと、ぎりぎりまで分析するんですよ。鬼気迫るものを感じました。

 チームのために、考えつくし、やりつくす。のちに他のクラブで働いたときに『ぬるさ』を感じたくらいです。これが日本代表選手として戦い抜いてきた人の基準なんだと思い知らされました」

 はたして森保監督自身は、徹夜で分析していたことを覚えているだろうか? 今夏に行ったインタビューで広島時代のエピソードに触れると、森保監督は懐かしそうに笑顔になった。

「DVDが届いてからミーティングまで、24時間ないこともいっぱいありましたからね。いくら時間が限られていても、少しでもいい形でチームに分析を伝えられるように最善を尽くそうと考えていました。

 気がついたらクラブハウスで日付が変わっていたことも多かったです。分析に没頭していると時間の経過がわからなくなりますから。すごい努力? 私からしたら努力のうちに入りません。当たり前のことです」

「使ってはいけない言葉かもしれないですけど…」

 そういう「24時間戦う」スタイルは、日本代表監督になっても変わっていない。

 今年11月上旬の日本代表メンバー発表記者会見で「選手や監督自身の睡眠」について質問すると、森保はこう答えた。

【次ページ】 「使ってはいけない言葉かもしれないですけど…」

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