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「スイングスピードを信じろ!」ロッテ・佐藤都志也を“打てる捕手”に変えた村田修一コーチとの二人三脚「男・村田」が授けた“360発の奥義”
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2024/07/22 11:04
今シーズン打撃が開花したロッテの佐藤都志也
ファン投票で同じく打てる捕手としてブレーク中のファイターズ・田宮裕涼捕手も出場する。彼もまた左打者で逆方向への意識の高い選手だ。佐藤都にとっては年下の選手だがチームメートとなり色々な事を吸収しようと思い描いている。
開花した「背番号32」をオールスターゲームに送り出すタイミングで村田コーチは後半に向けたエールを送る。
「過去はゴミだよ」
「1シーズンやってみないと。ああ、これでこの世界で生きていけるなあというものが見つかってくれれば最高。前半戦は良かったけれど、これで落ちたら意味はない。残り試合も必死に食らいついて欲しい」
現役時代はベストナインを4度受賞するなど煌びやかな成績を誇る。しかし、「過去はゴミだよ」と言って、あえて当時の話を自ら語ろうとはしない。ただ、選手から相談を受けると惜しみなく現役時代に溜めてきた大量の経験という引き出しから、適切なアドバイスを見つけて伝える。佐藤都には数値に基づいた現代的なアプローチと独特の打ち方のイメージを併せながら進め、今に至った。
後半戦は残り55試合。全143試合の長き戦いを終えた時、佐藤都という新時代の打てる捕手がどのような境地にたどり着いているか。そしてマリーンズがどの位置にいるか。注目が集まるところだ。