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「泣き出した大海をみんなでなだめて…」ロッテ・金子誠コーチが語る「忘れられない8年前の涙」プロ野球記録樹立の岡大海“熱い漢”の原点

posted2024/07/08 11:03

 
「泣き出した大海をみんなでなだめて…」ロッテ・金子誠コーチが語る「忘れられない8年前の涙」プロ野球記録樹立の岡大海“熱い漢”の原点<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

自身が持つ記録を破った岡(右)の快挙にわざと悔しそうな表情を作る金子コーチ 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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Chiba Lotte Marines

 8試合連続二塁打。マリーンズの岡大海外野手が6月30日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で連続試合二塁打のプロ野球新記録を樹立した。

 ベンチでその瞬間を嬉しそうに見届けていたのは金子誠戦略コーチだ。2009年、自身がファイターズでの現役時代に7試合連続二塁打のプロ野球記録を打ち立て、ファイターズコーチ時代の21年には同じチームの近藤健介外野手(現ホークス)が記録に並ぶ瞬間を目にした。そしてまた目の前で並ばれ、今度は抜き去られた。最終の5打席目、岡が放ったのは三塁線を抜ける二塁打。自身もやはり、三塁線を突破する二塁打だった。不思議な縁を感じた。

蘇った現役時代の記憶

「記録の事を思い出したのは実は遅かった。7試合連続で並ばれた翌日の朝、新聞記事で読んで、ああ、そういえばそうだったなあ、と。近藤の時は自分でスコアをつけながら二塁打多いなあと5試合目で気が付いたけど、岡の時はそういう報道を見るまで気が付かなかった」と金子コーチは苦笑いを浮かべた。自身の名前が新聞記事に出ているのを目にし、周りから言われて記憶が蘇ったのだという。

「オレは5試合目を打った時の試合後にメディアから『明日、打ったらプロ野球タイ記録ですよ』と言われた。だから記者には『そんなことを言ったら終わりますよ。ほっといてください』と冷たく返したね」と金子コーチは懐かしそうに振り返る。

 09年4月14日、札幌ドームでのバファローズ戦。当時のプロ野球タイ記録となる6試合連続二塁打はバファローズ先発の金子千尋から左中間を抜ける二塁打だった。そして翌15日の同カードは6回無死満塁のチャンスで香月良太投手から走者一掃の二塁打を放ち、当時のプロ野球新記録を樹立した。ちなみにその翌試合は2打数1安打2四球。残念ながら二塁打の記録更新はならなかった。それでも西武ドーム(当時)への移動試合となった17日のライオンズ戦は3安打の固め打ちで好調を維持したのだから凄い。

近藤に並ばれ、岡に抜かれて

 月日は流れて21年10月7日。現役を引退して今度は京セラドームのベンチでコーチとして試合を見守りながら自身の記録に並ばれるヒットを目にすることになる。それが近藤の左越え二塁打。その時もこの記録にまつわる縁を感じたものだが、その3年後にふたたび目の前で遭遇することになるとは思いもしなかった。

【次ページ】 ベンチで泣き出した岡

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