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元人気Mリーガーが悩んだSNS誹謗中傷「思い出すと涙が出てくる…つらかったです」 丸山奏子が今明かす“戦力外通告”までのプレッシャー

posted2024/06/27 11:00

 
元人気Mリーガーが悩んだSNS誹謗中傷「思い出すと涙が出てくる…つらかったです」 丸山奏子が今明かす“戦力外通告”までのプレッシャー<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

Mリーグの舞台を降りた後も、精力的に活動の場を広げている丸山奏子

text by

曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

競技麻雀の新たな魅力を開拓し、多くのファンを獲得しているMリーグ。だが、選手視点で見れば、“Mリーガーであり続けること”は決して容易ではない。4人×9チームの限られた選手枠をめぐって、これまで11人がさまざまな事情から最高峰の舞台を離れている。

2019年から2023年まで赤坂ドリブンズに所属していた丸山奏子プロ(30歳/最高位戦日本プロ麻雀協会)も、契約満了によってMリーグを去った選手のひとりだ。将来を嘱望された麻雀プロは、なぜわずか4年で“戦力外通告”を受けたのか。インタビューでMリーガー時代の苦悩に迫った。《NumberWebインタビュー/全2回の1回目》

「あのときは『Mリーグで麻雀を打つ』ということの重さを、いい意味でまだよくわかっていなかったんです」

 オーラスの倍満ツモによる大逆転トップ――2019年10月29日、新人Mリーガーとして鮮烈なデビューを飾った丸山奏子は、当時をそう振り返った。「5年経っても、いまだにあの試合のことを聞かれますね」とこぼした笑顔には、面映ゆい気持ちだけでなく、悔恨のニュアンスもわずかに含まれているような気がした。

会社を辞めてMリーガーに「迷いはなかったです」

――丸山プロは2018年に最高位戦日本プロ麻雀協会に入会。翌19年7月に赤坂ドリブンズからドラフト指名を受け、Mリーガーとなりました。当時はまだ会社員として働かれていた時期ですが、「麻雀一本で生きていく」ということに不安はなかったのでしょうか。

丸山 仕事をしていて楽しいと感じる瞬間もたくさんありましたけど、それ以上に麻雀が大好きで、プロとして大きな舞台に立つことは目標だったので。自分が大好きな麻雀という競技に打ち込めると考えたら、会社をやめることに迷いはなかったです。麻雀を仕事にできることよりも、普通なら対局できないようなトッププロの中に身を置けることが何より嬉しかったですね。

――ちなみに、ご両親はどんな反応でしたか?

丸山 我が家はわりと放任主義というか、「社会人になったら自分で全部やってね」という感じの家庭だったんです。なので、相談というよりも報告だけでした。「ドラフト指名されたよ。会社はやめることになるけど大丈夫、暮らしていけるから」と、何も言わせないくらいの勢いで(笑)。もし1年でクビになっても数カ月は食べていけるくらいの貯金はしていましたし、「こんなチャンスは二度とない。これを逃すのはアホだ!」と。

――Mリーガーは最低年俸が400万円に設定されていますが、会社員時代と比べると収入にはどれくらいの変化があったのでしょうか。

丸山 収入的にはあまり変わらなかった気がします。たぶん、最初は微増くらいだったんじゃないかな? Mリーガーとして認知度が上がったことで仕事をいただくことが増えたり報酬のベースがアップしたりして、トータルの年収は少しずつ上がっていきました。

【次ページ】 劇的デビュー戦のあとに生まれた「怖い」という感情

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