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「鎌田大地がやるのも面白い」岡崎慎司が語った日本代表“これからのキャプテン像”とは?「ベテランにやってほしくない」と考える理由
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images/Takuya Sugiyama
posted2023/01/19 11:16
岡崎慎司は「僕が誰かを指名すべきじゃないとは思うけれど」と前置きしつつ、日本代表の次期キャプテン候補として鎌田大地の名前をあげた
――というのは。
「森保ジャパンが始動した当初は、中島翔哉や堂安律、南野拓実などが次々と結果を残して、チームにも勢いがあったし、メンバーを替えながら選手間の競争力が高まっているのを感じました。そこに東京五輪勢だって入ってくる。見ている人にとってもワクワクした感じがあったと思うんです。けれど、アジア予選が始まり、2年ほど前から自然とメンバーの固定が始まった印象がありました。それが一番寂しかったですね」
“そのとき一番いい選手”を起用するチーム作りを
――キャプテンの吉田麻也選手や長友佑都選手など、ベテランの起用が定着していましたね。監督自身も経験値やリーダーシップといったベテラン勢のキャラクターを高く評価しているようにも映りました。
「チームには中心選手が必要だし、モチベーターとなる存在を求めるのも当然だと思います。ただポテンシャルやパフォーマンスを最優先したグループの競争の中で自然とそういう役割が決まっていくようにすれば、若手はもちろん、ベテランも成長というか、進化できたと思うんです。もっと選手の個を伸ばせたんじゃないかなと」
――なるほど。
「W杯で輝いた選手ももちろんいます。三笘薫や堂安、鎌田大地は、代表でも定位置を得るのに苦労した時期があった。それが彼らの反骨精神に繋がり、日本に必要な選手になったと感じます。結果的に、枠外から来た選手が大会の中心選手になった。そういう意味でも固定する必要はなくて、“そのとき一番いい選手”を起用するというチーム作りであれば、代表外の選手も刺激するし、そういうところから想像以上に伸びる選手が出てきた可能性もあるんじゃないかな、と。たとえばJリーグMVPを獲った岩田智輝を招集しても良かったと思います。国内外を問わず、勢いのある選手を招集することがもっとできたはず」
――一方で、その時々で調子のいい上田綺世選手や町野修斗選手を招集しました……というようなことはありましたよね。
「だけど、招集してもベンチ外やベンチ、起用しても短い時間というケースも少なくなかった。ある程度固定化されたチームの中で、短時間の起用だと若い選手が力を発揮するのは難しい。もちろんそこで結果を残そうと選手は頑張るけれど、試し方も工夫はできたと思うんです。そういう意味でも柔軟性のあるグループ、チームを作ることで、選手の可能性、チームのポテンシャルをさらに高められるのでは、と思います」