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「鎌田大地がやるのも面白い」岡崎慎司が語った日本代表“これからのキャプテン像”とは?「ベテランにやってほしくない」と考える理由
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images/Takuya Sugiyama
posted2023/01/19 11:16
岡崎慎司は「僕が誰かを指名すべきじゃないとは思うけれど」と前置きしつつ、日本代表の次期キャプテン候補として鎌田大地の名前をあげた
森保監督の戦い方は「非常に現実的でシンプル」
――W杯カタール大会はアルゼンチンの優勝で幕を閉じました。率直にどんな感想を抱きましたか?
「決勝戦が始まる前は、フランスが優勝すると思っていたけれど、アルゼンチンは決勝戦で一番良いパフォーマンスを見せたし、サッカーの内容的にも僕が好きな戦い方だった。現代サッカーという視点で見れば、アルゼンチンは優勝に値するチームでした。だけど、アルゼンチンの選手の振る舞いに関しては、同じサッカー選手として認めたくない部分もあるんです。準々決勝のオランダ戦はレフェリーが問題という声もあるし、歴史的な因縁もあるとは思うけれど、アルゼンチンの選手の態度に対する違和感というか、嫌悪感は正直ありますね。ただ同時に、『なにがなんでも勝つ』という勝利への執念を持ち、その感情をピッチで表現するチームが結果を残した大会だったな、というふうに思っています」
――日本代表はドイツとスペインを破り、グループリーグを1位で突破。しかし、クロアチアにはPK戦の末に敗れて、またもベスト8進出には至らなかった。低い守備ブロックで守り、機を見てハイプレスからのカウンターで仕留めるという戦い方には、賛否両論がありますが……。
「戦い方という意味では、守備力という僕が思っていた日本人の強みを活かせたし、非常に現実的で、かつシンプルなやり方だったことで結果を引き寄せられたんだと思います」
――「これが森保一監督が4年間作ってきたチーム、サッカーの集大成か」というところでは疑問も感じます。
「それでも、ドイツとスペインという強国と同じグループを突破するための選択だったんだと思います。だから、決勝トーナメント進出は監督にとって想定通りの結果だったのかもしれない、とも思うんです。こういう戦いをすれば、これくらいはできるだろうと考えて準備をしていた。だけど、それを超えた結果には至らなかった。もうひとつ先へ行くには想像を超えるプレーが必要なんだと、あらためて考えましたね。最低限の結果は残せたけれど、それ止まりだったなと」
――それは選手の成長度が足りなかったということでしょうか?
「結論としては、そういうことになるのかもしれないけれど、想像を超えていく、枠を飛び出していくような選手が登場するための組織、環境作りができていなかったのかなと」