「鎌田大地がキャプテンになっても面白い」

――2023年を待たずに、森保監督の続投が決まりました。

「日本代表がW杯で得たさまざまな課題や強みを次へ活かしていく継続性、グループとしてどういうスタンスで世界と対峙するべきかを、分析、決断する作業が重要だと思います。それを経たうえで監督に求めたいのは、選手の序列も含めていったんリセットしてほしい、ということ。これまでの4年間を終えて、次の4年間を戦ううえで、選手を伸ばすという意味でもいろんなことをリセットして、フラットな状態からチーム作りをすべきだと思います」

――同じ監督だからこそ、意識的にそういう視点を持ってほしいですね。

「リセットしても残るべき選手は自然と残るものですから」

――次のキャプテン候補についてはどう見ていますか？　巷では遠藤航選手が適任だという声もあります。

「実際のチームの空気がわからないので、僕が誰かを指名すべきじゃないとは思うけれど、鎌田みたいな人間がキャプテンになっても面白いかな。日本でキャプテンに指名されると『キャプテンとしてこうあらねばならない』みたいな像も背負わされるじゃないですか？」

現在26歳の鎌田大地は、29歳という脂の乗った年齢で2026年のW杯を迎える　©Getty Images

――長谷部誠選手からも、当初はそういう意識を強く感じました。

「麻也もそれを背負って、4年間よく頑張ったと思います。でも、海外のクラブでキャプテンをやっている人間で、『理想のキャプテン像』を追い求める選手って少ないと思うんです。チームメイトもみんな自立しているから、キャプテンに依存する人間はいない。そういうヨーロッパで、航は自然とチームリーダーとしての役割を消化している。キャプテンシーに加えて、プレーでもチームを支え、引っ張っていると感じます。だから、航なら『こうあるべき』というものに囚われないだろうという感じがします。

　だけど、現在29歳の航がキャプテンになることで、守りに入るようにはなってほしくないんですよ。守りに入るというか、無茶はできないわけじゃないですか。日本のキャプテン像の枠で考えると。だから航に限らず、30代の選手も成長する可能性はあるし、ポテンシャルも高いからこそ、そういうベテランにキャプテンという役割をやってほしくないなと」

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