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「左投手は左打者に対して有利」ってホント? 村上宗隆と吉田正尚はなぜ、”左”を苦にしない…左腕神話はもやは崩壊したのか
posted2022/12/04 11:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
巨人のC.C.メルセデス投手が保留者名簿から外れて自由契約となり、今季限りで退団することになった。
メルセデスといえば巨人が2016年オフにドミニカ共和国で行った入団テストで見出され、17年に育成契約で入団。2年目の18年に支配下契約を勝ち取り1軍初勝利をマークすると、以降はローテーションの一角を担ってきたサウスポーだ。
しかし22年シーズンは5勝7敗で防御率3.18という成績に終わり、6年間でも通算29勝28敗という数字は外国人選手としては物足りなさを感じる。好不調の波も大きく、シーズンを通じてなかなか結果を残せないことに、チームが見切りをつけたということになる。
左投手は左打者に対して有利なのか?
その一方で今季は同じ左腕の高橋優貴投手が不振に苦しみ、先発サウスポーはメルセデス1人という貴重な存在だった。シーズン終盤には3年目の井上温大投手が頭角を現し、来季は高橋の復活も期待されるものの、いずれも未知数の部分が多く、そういう意味では「もったいない」という声があるのも事実だ。
ただ、である。
これまで球界の1つの常識だった「左投手は左打者に対して有利」という“左腕神話”が確実に崩れてきているデータがある。となれば投手陣の構成で、右左にそこまでこだわる理由がなくなってきているのではないか、ということだ。