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フライングで“3カ月の出場停止”「アルバイトもしています」元西武・野田昇吾32歳が語る“ボートレーサーとしての今”「もうひとつ何かをつかめば…」
posted2026/02/15 11:38
フライングにより約3カ月の斡旋停止(事実上の出場停止)処分を受けた野田昇吾。ボートレーサーとしての苦闘は続く
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Kiichi Matsumoto
◆◆◆
2025年、野田昇吾はボートレーサーとして着実に成長を遂げていた。
印象的なレースがある。9月26日の常滑9レース。4号艇の野田は、5コース進入の6号艇・池田浩二の猛追を抑えて2着を死守した。池田はSG11勝を誇る紛れもないトップレーサーだ。A1のなかでも“上澄み”にいる圧倒的な実力者を、B1の野田が道中で抑え込んだこの一走は、一般戦ながらファンの間で静かに注目を集めた。
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「池田さんも『マジで思ったとこ走らせてくれないよね』と言ってくれて。ちょっとうまくいっているのかもって思えました。でも、その前の試運転で池田さん、転覆してエンジンがめちゃくちゃ悪かったんですよね。それでギリギリ耐えたと僕は思ってます。でも、あんなに間近で池田さんのウィリーが見られたのは嬉しかったですね」
好スタートを連発「最近の野田は乗れている」
もちろん実力ではトップクラスの選手にはまだまだ及ばない。野田は「A1レーサーは全然違います」と自身との差をこう分析する。
「まず、大抵めちゃめちゃ嫌なところを走ってきますよね。前を走っていても、後ろにいても。あとはターンマークを外さない。みんな差しがめちゃめちゃうまい。ターンマークを外さずにしっかり差してきて、次のターンマークでやられちゃうことが多いです。プロペラの仕上げも大きいと思います。トップの選手って、限りなく正解に近い調整をしてるので」
それでも、野田昇吾というレーサーを気にかけているファンの多くはこう感じていたはずだ。最近の野田は乗れている、と。事実、成績は明らかに上昇傾向にあった。特に成長を感じさせたのがスタートだった。
「養成所時代からスタートは結構いくタイプでした。ターンが上手くないから、スタートを武器にするしかないなって。ここ最近、スタートのやり方をひとつ変えてみたら、かなりよくなってきていたんです。ちょっとずつ成績も上がってきていたんですけど……。その矢先でしたね」

