- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「大迫と原口がいない…」中村憲剛はW杯メンバー26人をどう見たのか? 負傷者続出の最終ラインに懸念も「もし冨安まで欠くとなると…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2022/11/04 17:25
プレミア首位を走るアーセナルで好パフォーマンスを披露していた冨安健洋だったが、3日のELチューリヒ戦で負傷交代。W杯に向けて状態が心配される
今回発表された26人のなかで、東京五輪代表はオーバーエイジの3人を含めて13人を数えました。チームの半分を占めているわけです。森保監督が五輪代表監督を兼任して、1チーム2カテゴリーで強化をはかっていったことも大きかったでしょう。
今回のW杯は、中3日を基本として試合が続いていきます。プレー強度が高いなかでの連戦になりますから、疲労からの回復はポイントになります。
ここ最近の栄養、睡眠、ケアなどの疲労回復系の知識やその手法、さらには道具の進化は、驚くべきものがあります。ベテランの選手たちがタイトな日程でもプレーできる環境は整ってきていますが、暑さのあるカタールでのタフな環境下での戦いです。その点も、より回復の早い若い選手が多く選ばれたことにつながっているかもしれません。
中山雄太がW杯絶望…冨安健洋も負傷でDF陣に懸念
ポジションごとのバランスとして、DFを8人にするか9人にするのかは、論点のひとつだったでしょう。森保監督は9人としました。そこにはいくつかの理由があると思います。
板倉滉はケガからの復帰過程にあります。冨安はアーセナルでハードに稼働していますが、ケガに悩まされてきました。また、キャプテンの吉田が、所属チームの不調に引きずられていないかも心配です。
そういったことを踏まえて、彼ら3人に谷口彰悟を加えた4人をメインのCBとして選んだのではないかと思います……が、残念なニュースが飛び込んできました。中山雄太が2日に手術を必要とするケガを負い、W杯出場が不可能となりました。さらに冨安が、3日の試合で筋肉系のトラブルで途中交代したのです。
森保監督が選んだ9人は、色々な組合せと対応を可能にするものでした。長友は左SBだけでなく右SBでも起用できます。右SBで選出された酒井と山根視来は、3バックの右CBもできる。板倉はボランチに対応します。
そして、中山は伊藤洋輝とともに、左SBに加えてCBとボランチ、さらには3バックも任せられる選手でした。冨安は最終ラインのすべてのポジションをカバーできる人材でした。
中山だけでなく冨安までも欠くことになると、森保監督は構想の練り直しを迫られることになりそうです。中山の無念さに寄り添いつつ、冨安の負傷が大事に至らないことを祈りたいと思います。
<後編へ続く>