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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「彼は大阪桐蔭高時代からレギュラーだけど、私は評価していない」プロ野球スカウトたちの意見が分かれた…これが今秋“ドラ1候補の25人”
posted2022/05/11 17:06
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
「こんなにいない年もないでしょ」。この春はプロ野球スカウトからドラフト1位候補がいない、というため息を次々に聞いた。そんな中で「ドラフト1位候補25人」をスカウトの方々からリストアップしてもらった。ここでは大学生13人、社会人3人の合わせて16選手を紹介していく(全2回の2回目/#1へ)。
「ドラフト1位らしき者」。ここからは大学生13人、社会人3人の合わせて16選手だ。
残念ながら、独立リーグからは現状、名前が挙がらなかった。
前編の高校生が9選手だったから、人数的には今年も大学生中心のドラフトになりそうだが、
「去年とはレベルが違う。高校生もそうだが、去年のドラフトで1位に食い込める選手は、今年の候補の中では2、3人しかいないんじゃないですか。けなすわけじゃないですが、それが今年の実情なんです」
プロ野球スカウトの本当の見方は、かなりきびしい。
だからこその「1位らしき者」。
その後編を、大学生からやはり北から南に、話を進めよう(※なお、文中のAスカウト、Bスカウト……は発言を区別するための表現で、同一人物ではありません)。
【ドラ1候補・大学生編1】金村尚真(投手・富士大・175cm73kg・右投右打・岡山学芸館高)
「投手としての条件が高いレベルで揃っていて、これといった欠点がないのに加えて、沖縄出身独特の体の強さとか身体能力の高さも兼ね備えているのは、ポイント高いですよ。これまでのピッチングを見ていると、リーグ優勝を最優先にして、コントロール本位の勝てるピッチングをしているように見える。もっと本気で……って言ったらおかしいけど、本人が投げたいように投げたら、アベレージでも150キロ前後ぐらい、平気で投げるんじゃないかな。ちょっと見ると、変化球もスライダーにスプリットかな……使えるボール持ってるし、まとまったピッチャーに見えるけど、実はまだ私らに見せてないもの、ありそうな感じですね」(Aスカウト)
【ドラ1候補・大学生編2】加藤泰靖(投手・上武大・183cm92kg・右投右打・志学館高)
「去年の秋のイメージでいいんなら、1位候補でしょうね。横浜スタジアムで武蔵大を抑えたピッチングなんて、迫力ありましたもん。7割、8割の力感で腕振って、145キロ前後でもバッター圧倒して、ちょっと力入れたら、簡単に150キロ出してたでしょ。ランナー2人いて、セット(ポジション)でも140キロ後半。もっといいのは、パワー系なのに、角度をつけて低めに集めるって意識がはっきり見えること。外角低めを基調にして、9回の最後まで低め、低め。それが勝ちにつながってる。カットボールにシュートを内に突いたり、沈めたり。困った時に投げるボールもあるし、フォークは勝負球になる」(Aスカウト)
「上武大って、ピッチャーだけで50人ぐらいいるんでしょ? そのトップなんだから、マウンドさばきも堂々としてますよ。プロの前に、1つ大きなサバイバルをくぐり抜けてるって、大きいですよ。ただこの春は、まだそこまで調子上がってないらしいですね」(Bスカウト)