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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「彼は大阪桐蔭高時代からレギュラーだけど、私は評価していない」プロ野球スカウトたちの意見が分かれた…これが今秋“ドラ1候補の25人”
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![安倍昌彦](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph bySankei Shimbun
posted2022/05/11 17:06
![「彼は大阪桐蔭高時代からレギュラーだけど、私は評価していない」プロ野球スカウトたちの意見が分かれた…これが今秋“ドラ1候補の25人” <Number Web> photograph by Sankei Shimbun](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/5/3/700/img_53dcaa3509bfbe97052b42e78f7b7bf3277715.jpg)
プロ野球スカウトが今秋ドラ1候補に挙げた、蛭間拓哉(外野手・早稲田大・176cm87kg・左投左打・浦和学院高)
【ドラ1候補・社会人編2】河野佳(投手・大阪ガス・174cm78kg・右投右打・広陵高・21歳)
「マウンドの雰囲気が、とてもじゃないけど“21歳”じゃない。もう、プロで何年も投げてるような支配感。強豪相手のピンチでも表情ひとつ変えないし、完投してもケロッとしている。心身の強さがすばらしい。去年、19歳で日本選手権のMVPですよ……それでいて、半年後の都市対抗でも、同じような安定感。若いピッチャーですから、少しはうわついた感じになってるんじゃないかと思ったけど、ぜんぜんですよ」(Aスカウト)
「見ようによっては、バッピ(バッティングピッチャー)ですよ。その程度の力感でコンスタントに145キロ前後。都市対抗の放送見たら、回転数が2450とか出ていて、これって立派にプロ級の“質”です。カットボールがいいっていうのは、みんな言いますけど、カーブもいい。高めのゾーンから一気に落ちるスピード感がある。プロでも三振とれるボールですね、柳(裕也・中日)のカーブみたいな。チェンジアップもあるし、ツーシームも使ってると思います。ぜんぶ、制御できている。あれだけ社会人の強豪を抑えて、まだ余力を残している。完成度も高いですけど、一方で、まだまだポテンシャルも大きい。僕は文句なしの1位に推してます」(Bスカウト)
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【ドラ1候補・社会人編3】吉野光樹(投手・トヨタ自動車・176cm78kg・右投右打・上武大・23歳)
「上武大の4年の秋じゃないですかねぇ……ほんとによくなったのは。指にしっかりかかった速球が145キロ前後で、両サイドにビシビシきまって。スライダーも速球軌道から真横にキュッとすべるような軌道で、バット振り始めてからすべるから、もうお手上げ。その時点で欲しかったけど、もう社会人が決まってましたからね」(Aスカウト)
「この前(4月)の岡山大会、よかったですよ。上が150(キロ)超えたんじゃないかな。淡々と投げているように見えて、投げるボールはストレートも変化球もすごくきびしい。緊張感があって、隙のないピッチングしますね。上武大、トヨタ……常勝の環境でやってきてるピッチングのきびしさを感じる。7回ぐらいで、足がつって代わりました。背格好が似てて右のオーバーハンドだから、つい、栗林(広島)と比べてしまいますけど、そのへんはまだまだ“栗林”になれてない。押しも押されもせぬ“トヨタのエース”になれたら、1位でもいいですね)(Bスカウト)
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ドラフト戦線は刻一刻変化する。昨日まで1位候補だった投手が、故障のために一気に消えることだって、珍しいことじゃない。
混沌とした年ほど、数年後に意外な大物が台頭して、プロ球界のリーダーになった例もいくつもあって、それだけに油断できない。
スカウトたちの話には登場しなかったが、個人的には、「神野竜速(投手・神奈川大)」だって、“候補”に挙がってきてもおかしくない存在ではないか……などと考えている。
<高校生編から続く>
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