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「一瞬のスキも見せられない」まさかの苦戦、疑惑の判定…日本代表が経験してきた“W杯最終予選の厳しさ” 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2021/09/01 17:05

「一瞬のスキも見せられない」まさかの苦戦、疑惑の判定…日本代表が経験してきた“W杯最終予選の厳しさ”<Number Web> photograph by AFLO

いよいよW杯最終予選が始まる。とくに日本は開幕戦でその厳しさを痛感してきた

 2大会連続の最終予選出場となる中澤佑二は、「アウェイでの勝点3は大きい」と勝利を評価しつつ、「2失点は……」と険しい表情を浮かべた。左腕に主将の腕章を巻くCBは、「リーグ戦だから得失点差も関わってくる。90分を通した試合運びを考えて、失点をしないようにしていかないと」と、終盤の戦いぶりを課題にあげた。

vsオマーン)例外的な「3対0」…なぜ快勝できた?

 最終予選の開幕戦は難しい、との理解が広まっていったなかで、12年6月3日のブラジルW杯アジア最終予選は例外的だ。オマーンを相手に3対0の快勝を飾ったのである。

 勝利への伏線はあった。レギュラーの大半を占める海外組は試合の9日前から、国内組の多くは1週間前から、トレーニングを積むことができていた。海外組は各国リーグを終えたばかりで、Jリーグもすでに10試合以上を消化しているから、試合感覚やゲーム体力に問題を抱える選手もいない。さらに言えば、本田圭佑が右ひざのケガによる長期の離脱から復帰していた。

 左サイドバックの長友佑都のクロスを、本田が左足ボレーで突き刺した先制弾は、「かなり練習してきた理想的な形」(長友)だった。長友、本田、長谷部、遠藤、岡崎慎司、今野泰幸、香川真司らは、前回の最終予選でピッチに立っている。本田は「初戦はやっぱり固くなるものなので、早い時間に取れたのでチームも個人もだいぶリラックスできた」と振り返ったが、ピッチに立つ選手が「固くなる」ことを経験として理解できていたことが、3対0の勝利につながったと言える。

vsUAE)疑惑の判定も「どうにかしなければいけない」

 4年後の16年9月1日に行なわれたロシアW杯最終予選のUAE戦にも、本田、長谷部、香川、岡崎らが出場している。試合前日に取材に応じた岡崎は、「最終予選はどこの国が勝ち抜いてもおかしくない。一瞬のスキも見せられない」と、油断のない姿勢を示していた。

 試合の入りは悪くなかった。キックオフ直後のざわめきが収まりつつあった11分、清武弘嗣が右サイドから直接FKをゴール前へ供給する。ファーサイドでフリーになった本田が、ヘディングシュートを突き刺した。

【次ページ】 浅野拓磨のシュートはゴールラインを越えていた

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