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高橋大輔&村元哉中について、全米選手権アイスダンスメダリストが目を輝かせて語ったこととは?
posted2021/01/21 11:02
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Koki Nagahama-ISU via Getty Images
1月16日、ラスベガスで開催されていた全米選手権でアイスダンスの決勝が行われた。
4度目の優勝を果たしたのは、マディソン・フベル&ザカリー・ドノヒュー。2位はマディソン・チョック&エバン・ベイツ、3位はケイトリン・ホワイエク&ジャン=ルック・ベイカー。いずれも、多くのアイスダンスメダリストを育ててきたカナダのマリーフランス・デュブリュイユとパトリス・ローゾンのコーチチームの生徒たちである。
ダイナミックでスピードのある滑りが持ち味のフベル&ドノヒュー、身体の柔らかさを駆使したリフトなどが得意なチョック&ベイツ、アーティスト気質のホワイエク&ベイカーと、それぞれ全く違ったタイプの3チームは、他の組を引き離して抜き出ていた。
「ダイスケ」の名前が出ると目が輝いた
ズームでの優勝会見では3チームとも、このパンデミックの中で全米選手権が開催されて出場できたことの嬉しさを異口同音に述べた。
アメリカ人の記者の質問が出尽くしたところを見計らい、高橋大輔と村元哉中の競技演技を見る機会があったのか、もし見たのなら感想を聞かせて欲しいと頼んだ。
全米選手権の話題から脱線した質問だったので、遠慮しながら聞いたのだが、「ダイスケ・タカハシ」の名前を出したとたん、彼らの目が嬉しそうに輝き、みんなが揃って頷くのがズーム画面からもよく見えた。
「まず最初に言いますが、ダイスケはぼくのお気に入りのスケーターで、ぼくは彼の演技を見ながら成長したんです」と、ザカリー・ドノヒューが口火を切った。
「あの『ワンダフル』な年齢で種目の転向というのは、小さな挑戦ではありません。体の使い方、靴も違うし、ターンやエッジの使い方も違う。リフトを学び、パートナーと一緒に揃って滑らなくてはならない。学ぶことは山ほどあるんです。その勇気だけでも、本当に尊敬します。
彼はすごい才能の持ち主ですが、ダイスケらしい演技を見せてくれたと思う。彼は楽しんでいるように見えるけれど、ぜひとも続けてこれからも面白いプログラムを見せてくれるのを、楽しみにしています」