フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
高橋大輔&村元哉中について、全米選手権アイスダンスメダリストが目を輝かせて語ったこととは?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byKoki Nagahama-ISU via Getty Images
posted2021/01/21 11:02
昨年のNHK杯での高橋大輔と村元哉中
どの選手も口を揃えるのは、高橋大輔がお気に入りの選手だった、ということである。元々スケーターというのは全体的にマナーが良く、育ちの良さを感じさせる行儀のよいコメントが多いが、彼らの口調には表面的ではない熱意が感じられた。
次に行くために必要なものは?
「彼が次のレベルに行くために、どんなことが必要と感じるか、男性パートナーの意見を聞かせてくれますか」と補充の質問をすると、フベルが「ワンポイントアドバイス? それは、あまりたくさんはあげられないわ。だって競争相手ですもの」と冗談っぽく言うと、爆笑の渦になった。たとえ冗談半分でも、二度世界選手権の表彰台に上がった彼女からライバル視されるというのは、彼らにとって名誉なことに間違いない。
ドノヒューがマイクを取って、こう語った。
「自分も途中からアイスダンスに転向したのですが、もっとも大変だったのは、常にパートナーのことを優先して考えなくてはならないこと。ぼくは頑固なのでそれに慣れるのは、本当に大変だった。でも結局そのことが、パートナーシップの向上とスケーティング技術への向上につながっていきました。ダイスケも、そしてカナも、黄金の心(heart of gold/思いやりのある心)を持っているから、きっとできると思う」
エバン・ベイツがこう補足した。
「彼らはまだ2度しか大会に出ていないけれど、特に最初のうちは進歩が明確にわかるので、すごく楽しいんですよ。彼らはすでにたっぷり楽しんでいるようですが、良く味わって楽しんで欲しい。
ぼくはダイスケと同じ『素晴らしい』年齢層(笑)なので、彼と少しだけ一緒に時間を過ごしたこともありますが、彼はとても楽しい人。彼の性格の良さが、氷の上にも良く出ている。コーチの選択も良かったと思います」
明るい表情でそう言葉を結んだ。高橋大輔も、村元哉中も、どれほどスケート仲間たちから慕われているのかが良くわかったアイスダンス会見の締めくくりとなった。