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“CLの王様”レアル撃破、マンCの妙。
冴えるグアルディオラ流ハイプレス。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2020/08/08 20:00

“CLの王様”レアル撃破、マンCの妙。冴えるグアルディオラ流ハイプレス。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

笑顔のジダン監督と握手に応じるグアルディオラ監督。稀代の名戦術家はマンCでのCL制覇を成し遂げられるか。

「後ろでのミスは厳しい罰が」

 マドリーを押し込んで次々にシュートを浴びせるシティ(試合トータル21本)は68分、先制点と似た形からこの試合の決勝点をマークする。ハイボールに対応しようとしたバランが一度目のヘディングを空振りし、次にGKへ頭で戻そうとした。

 だが先制点に繋がるミスを引きずっていたようなフランス代表DFの所作は、またしてもジェズスに読まれ、GKとの間に走りこんだシティの背番号9がダイレクトに決勝点を流し込んだ。

「彼(ジェズス)はこの2試合の最優秀選手だと思う」とグアルディオラ監督は試合後に殊勲のブラジル代表を称えた。

「マドリードでも得点し、今日はアシストとゴール。決定的な働きだった。ただし今日、もっとも重要だったことのひとつは、守備陣がほとんどミスをしなかったことにある。この大会では、後ろでミスをすると厳しい罰を受けることになる。それは我々が経験として、よく知っていることだよ」

リヨンとの準々決勝に勝てば……。

 過去に得た教訓を生かして、この大会で絶対的な強さを誇る最大の難関を突破したペップとシティ。疫病の影響により、今季の残りは大会史上初の一発勝負でのミニトーナメントとなる。リヨンとの準々決勝を勝ち上がれば、ペップ政権下で初の4強入りを果たすことになるが、当然彼らはその先を見据えているはずだ。

 この4年間、グアルディオラ監督とともに着実に成長してきたシティが、いつもとは違うシーズンに最高の大団円を迎えることになるだろうか。

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