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岡崎慎司が語るゴールと献身の価値。
来年はスペイン1部、次はイタリア?
posted2020/08/09 11:50
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
AFLO
新型コロナウイルス感染拡大で約3カ月の中断を余儀なくされたスペインリーグ2部。昇格争いをしていたチームの多くが、再開後に連敗などで勝ち点を落とした。上位4チームすべてが敗れる節すらあった。そんな中でも安定した成績を出し続けたウエスカが、逆転優勝を飾った。
「結果(ゴール)は運次第。自信や手ごたえがあっても結果が出ないこともある。だけど、自信があれば運を引き寄せるだけなんです」
ウエスカの勝利を引き寄せたのは言うまでもなく彼のゴールだった。
岡崎慎司。はじめてのスペイン、はじめての2部リーグの戦いについて、振り返ってみよう。
「プレミアリーグにいた選手の2部への移籍って、そうはないと思うんです。でも、スペインかイタリアへ行きたいと思っていた僕に1部からのオファーはなかった。EU圏外の選手だからか、年齢の問題か、昨シーズンの成績なのか。落胆というよりも、『これが現実なんだ』という感じですかね。
ただそれがモチベーションになりました。昇格を果たして見返してやりたいという。だから、マラガやウエスカの期待に応えたかった」
そう語る岡崎はウエスカとの契約も延長され、欧州での選手生活10年目となる来季はラリーガ1部でプレーすることになる。
希望は4大リーグすべてを経験すること。
「ドイツ、プレミアでプレーできたので、これからはスペインやイタリアでプレーしたい」
岡崎からそんな希望を聞いたのは、レスターでプレミア優勝した30歳の頃だったと思う。年齢を考えれば、岡崎の望みが実現するの決して高くない。もちろん、岡崎本人がそれを一番わかっていたはずだ。けれど、諦めなくてはならないほど淡い夢でもなかった。