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バントの減少、逆シングル。変貌して
いく高校野球の姿。~個性的であろうと
する選手、それを許容する監督~
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/09/10 17:00
作新学院は1962年に史上初めての春夏連覇を達成して以来、54年ぶりの優勝を成し遂げた。
今夏の甲子園大会の攻撃面で目立ったのは、上位進出校のバントの少なさだ。優勝した作新学院は犠牲フライ1を含む犠打飛が5試合中3回、準決勝進出校の秀岳館は4試合中4回だった。
昨年の4強進出校では、最も犠打飛が少ない関東一でさえ4試合を通じて8回。残りの3校はいずれも10回以上を記録している。ちなみに、過去3年間の犠打飛は207→193→185と徐々にその数を減らしてきてはいる。
バントを考えるとき、私は'09年に行われた日米大学野球選手権の第2戦を思い出さずにはいられない。日本代表が7対5で勝利を収めた試合だが、バントを多用する戦術にアメリカ選手が苛立ち、日本側応援席からもバントの構えをする日本人選手に「いい加減にしろ」のヤジが飛んだ。