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<急成長する2人のなでしこ>
山根恵里奈&菅澤優衣香
「同級生でW杯の舞台へ」
text by

粕川哲男Tetsuo Kasukawa
photograph byTaiji Yamazaki
posted2015/03/03 11:50

連覇を狙うために必要な新戦力として、頭角を現した彼女たち。
JFAアカデミー出身の同い年の2人が、共にW杯初出場を狙う。
カナダW杯で連覇を狙うなでしこジャパン。本番まで残り3カ月となったいま、2大会連続でチームを率いる佐々木則夫監督が望むのは新戦力の台頭だろう。
DF岩清水梓、MF宮間あや、FW大儀見優季など、前回大会で世界一を勝ち取ったメンバーが各ポジションに揃うのは強みだが、さらなる進化なくして再びの頂点は見えてこない。アメリカ、ドイツ、フランスといった強豪に追われるなかで女王の座を守るためには、経験ある選手と新たな戦力の融合によるレベルアップが不可欠だ。
世界屈指の高さを誇る身長187cmのGK山根恵里奈。フィジカルの強さを武器に昨季のなでしこリーグ得点王に輝いたFW菅澤優衣香。成長著しい同級生の2人は、なでしこに新風を吹き込む可能性を秘めている。
小学3年生のときにボールを蹴り始めた山根は、中学に上がる頃には既に関係者の注目を集める選手となっていた。日本サッカー協会(JFA)が未来のなでしこGKを育成する目的で立ち上げた「スーパー少女プロジェクト」に選ばれたのは、13歳のとき。地元広島のクラブではDFをしていたが、高さを買われてGKに転向した。
中学を卒業すると、福島県のJヴィレッジを拠点としたエリート養成機関であるJFAアカデミーに1期生で入学。中学3年間で21cm伸びた身長は、その頃には184cmに達していた。日本の弱点である高さを補える逸材への期待は大きく、専門のスタッフが規格外の大型GKをサポートした。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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