Doスポーツの凄いモノ!!BACK NUMBER

<遊びの巻> これが日本の最先端。子供ごころをくすぐるコトブキの遊具だ! 

text by

秦野邦彦

秦野邦彦Kunihiko Shinno

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2012/04/18 06:00

<遊びの巻> これが日本の最先端。子供ごころをくすぐるコトブキの遊具だ!<Number Web> photograph by Sports Graphic Number
世に溢れる数多の商品の中から、我々は何を選ぶべきだろうか?
今回は、誰もが昔はよく遊んだ、公園の遊具の最近の動向を追った!

「“遊具なう!”そろそろ外に出ても楽しい季節。
子供たちのDoスポーツ用具のトレンドを探ってみようじゃないか」
の巻。

 世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

 桜前線の北上とともに春の到来を肌で感じるこの頃。はやる心を抑えつつ花見がてら公園に出かけると、待ち構えていたのはカラフルで楽しそうな遊具の数々。何これ!? 超おしゃれ! ……隔世の感を禁じ得ぬ中、件の品を製作している株式会社コトブキの遊具設計室室長・小川久雄さんにお話をうかがってきました。

「1970年代、全国に団地や公園が数多くできた頃“三種の神器”と言われていた遊具が、すべり台、ブランコ、砂場です。さらに郊外の大きな公園に行くと、フィールドアスレチックといって丸太の遊具があったと思います。子どもは本質的に滑る・登る・ぶら下がるといった遊びを欲しますので、要素としては現代のものもそれほど変わりはありません。近年は子どもの体力低下が問題になっていますので、我々遊具メーカーとしては子どもたちにとって常に魅力的な遊具、昔でいう木登りのようにチャレンジしたくなるものを作ろうと心掛けています」

大阪万博のシンボル『太陽の塔』の真ん中の顔の部分も制作。

 1916年に東京・数寄屋橋で創業し、「椅子のコトブキ」として学校や劇場、スタジアムといったパブリックスペースに家具を納入してきた同社。転機となったのは'70年の大阪万博だった。

「そこでいわゆるストリートファニチャーと呼ばれる屋外用ベンチのデザインを手がけたことをきっかけに、'79年から子どものための新しい遊具を作り始めました。“人がたくさん集まるところには必ず子どももいる、ならば遊具も作ろうじゃないか”と。ちなみに大阪万博のシンボル『太陽の塔』の真ん中の顔の部分もうちが作ったものなんですよ」

 数あるアイテムの中でも開発初期からのロングラン商品が、ロープを使ったジャングルジム「ザイルクライミング」。

「これは一番大きいサイズで高さ11m。誰か昇り始めるとかなり揺れるので、周囲に気を配らなくてはいけません。それによって集団コミュニケーション力が養われる。しかも、上に行けば行く程ロープのピッチが広くなっているので、成長して身体が大きくなったり腕力が強くならないと頂上まで辿り着けないんです」

【次ページ】 遊具の最先端を行く「snug」の遊び方とは?

1 2 NEXT

他競技の前後の記事

ページトップ