テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
テレビに映らない大谷翔平「また9月に」「もう来ないでください!」“悪い笑顔”で番記者イジり後…5戦連発で思い出した日本ハム時代の言葉
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/15 17:01
番記者をいじった際の“悪い顔”だけでなく……とびきりの笑顔もまた、テレビに映らない大谷翔平の魅力だ
球場近郊在住のジャクソン・フィンセスさん(15)は「生まれた時からエンゼルスファンで翔平がメジャーに来た時からずっと見てきた。このボールは部屋に飾る。絶対に手放さない」と大喜びだった。高校では遊撃手と投手の二刀流でプレーしているといい「将来はメジャーリーガーになりたい。地元のカリフォルニアのどこかでプレーできれば」と夢を語る姿が印象的だった。
大谷にとって日本ハム時代16年の自己最長、そして球団記録に並ぶ5戦連発の37号ソロ。5戦連発は全て日本ハム時代に「調子のバロメーター」と語ってきた中堅から左方向への打球だが、この日は試合後のNHKによるインタビューで「打球方向はあまり関係ない」と言った。角度のついた打球を重視しており「良い角度で上がれば、引っ張っても流してもあまり関係ない。気にせず自分の打ちたい球をしっかりスイングすることだけを考えていきたい」と強調した。あいさつから約3時間後の打席で球団記録の5戦連発。縁起の悪いあいさつにならずホッとした。
日本ハム時代の5戦連発と“意外な言葉”
振り返れば日本ハム時代の5戦連発も現地で取材したことを思い出す。
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2016年5月17日。まだ日差しが残る北九州市民球場。この時も同じ初回に一振りで決め、デビューからプロ野球記録の14連勝をしていたソフトバンクのバンデンハークに黒星を付ける決勝弾に。父・徹さんの54歳の誕生日でもあった。
ヤフオクドームに移した翌18日の同戦で6戦連発は逃したが、左中間二塁打を放ち「もともとホームランバッターではない。崩されず左中間に二塁打が出たことは良かったと思う」と淡々と話したことが、いまだに強く印象に残っている。
大リーグ記録は、56年デール・ロング(パイレーツ)、87年ドン・マッティングリー(ヤンキース)、93年ケン・グリフィーJr.(マリナーズ)の8戦連発。オフを挟み、25日の敵地レッドソックスでは6戦連発とはならなかったが、8月に入ってからもブルージェイズ戦とエンゼルス戦で今季2度目の4戦連発を放つなど――大谷ならその記録も超えてくれるのではないかと期待してしまう。〈全20回/9月以降の戦いでもつづく予定です〉


