大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
ドジャース“まさか6連敗”を生んだ敵将の本音…ブルワーズと成績比較して分かった「ドジャース野球の課題」とは? ワールドシリーズ連覇へ大きなライバル
posted2025/08/18 11:02
ドジャースに今季6連勝したブルワーズのパット・マーフィー監督
text by

斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
Nanae Suzuki
大谷翔平の二刀流復活、佐々木朗希も復帰予定など、明るい話題も多いドジャース。ただオールスター明けは苦しい戦いも続いている。今季6試合で全敗と、相性の悪さが際立ったブルワーズ野球と比較しつつ、その今後を占う。現地で取材を続ける斎藤庸裕氏が解説する。
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ドジャース大谷翔平投手(31)が、ワールドシリーズ連覇を目指す上で最も苦戦しそうな相手は、派手さはなくとも強かにポストシーズン常連チームであり続けるブルワーズだった。今季シーズン6試合で全敗。合計スコアは16-31で完敗した。
チームを率いるパット・マーフィー監督(66)は昨年、就任1年目でリーグ最優秀監督に選出。守備を中心とした手堅い野球と、スピードと長打を生かしてバランスよく攻撃する、強い戦い方が際立っていた。
日本人メディア全員とあいさつする監督
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同監督はドジャースの対戦相手の取材で訪れる日本人メディアを記憶するためか、試合前の囲み取材で顔ぶれを確認する。初めて見る記者には名前を聞き、あいさつするのが恒例だ。7月19日、ドジャースの4連敗で迎えた今季の対戦5戦目、試合前に同監督のメディア対応に初めて参加すると、やはり名前を聞かれた。自己紹介を済ませ、質問する機会を待った。約10分後、番記者との話題が途切れそうになったタイミングで聞いた。
「ドジャースとの対戦で数試合見ただけだけど、教えてほしい。あなたが思う、勝つために、最も大事なこととは何か。戦い方を見ていると守備力やスピードを重視していると思うが」
マーフィー監督は次のように答えた。
「選手たちは、1球ごとにプレーしている。1球ごとに試合に入っている。それが、全てに影響する。全投球に対して準備ができていて、1球たりとも気を抜かない」
