テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
テレビに映らない大谷翔平「また9月に」「もう来ないでください!」“悪い笑顔”で番記者イジり後…5戦連発で思い出した日本ハム時代の言葉
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/15 17:01
番記者をいじった際の“悪い顔”だけでなく……とびきりの笑顔もまた、テレビに映らない大谷翔平の魅力だ
投手復帰後、登板翌日はこれまで15打数1安打、3四死球と苦しんできた。コンディション面を不安視する声は絶えず、この日も4打席目まで無安打で2三振と快音は響かなかったが、7回の4打席目には豪快に引っ張って打球速度117マイル(約188キロ)の超速ファウルを打つなど、パワーに陰りはない。ロバーツ監督は「彼は今季6試合に投げ、そのうち2試合が1イニング。登板翌日に大きな負担がかかっているとは今のところ思っていない。ただ、今日のようなプレーは間違いなくポジティブ」と安堵(あんど)していた。
この日も本塁打球をゲットしたファンの取材はできなかったが、いつだって想像を超えてくる大谷のパフォーマンスにただただ驚愕するしかなかった。
「また9月に!」「もう来ないでください!」
《7月23日 vsツインズ(ドジャースタジアム)◯4-3》
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4戦連発から約12時間後の午前10時30分頃。今季2度目の米国出張最終日だったので、クラブハウスの自身のロッカーの椅子に座ってスマホを見ていた大谷にあいさつに出向いた。
柳原「きょうで取材を終えて明日に帰ります!」
大谷「お疲れ様でした!」
柳原「また9月に来ます!」
大谷「もう来ないでください!」
大谷による「記者イジり」は12年目。いつからか始まった定番のやり取りで、大谷はいつものように顔を斜めに傾け“悪い顔”で笑みを浮かべていた。二刀流で多忙を極める日本ハム時代から大谷はマンツーマン取材は原則、禁じられ、現在は日本からの出張者が手土産を渡すこともNG。あいさつのみ許可され、こういったたわいもないやり取りが、大谷の素顔を知れる貴重な機会になっている。
その後デーブ・ロバーツ監督は試合前の会見で大谷の次回登板について7月28日(日本時間29日)の敵地レッズ戦で4イニング投げることを明言したが、横で聞いていた球団広報が首を振っていて、終了後に「違うと思う。確認する」と苦笑い。試合開始直前に同広報により30日(同31日)の敵地レッズ戦だと訂正され、既にアップしていた記事の訂正に追われる記者もいた。
メジャー初の5戦連発…「打球方向はあまり」
初回1死。大谷は右腕クリス・パダックの甘いカーブを逃さなかった。打球は角度34度で高々と舞い上がり左中間スタンド中段に着弾。飛距離441フィート(約134メートル)で、前日に塗り替えたばかりの日本選手の連続試合本塁打記録をあっさり更新した。
久しぶりの大谷の本塁打球の取材だ。左中間席に向かうと、すぐに“発見”することができた。

