テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
ドジャース“不安要素”は大谷翔平の休養日問題やベッツ不振だけでない「日本的な野球に6連敗」ブルワーズと秋に再戦したら…番記者が懸念
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/11 11:01
大谷翔平を擁するドジャースにとって、ポストシーズンのライバルとなりえるブルワーズ相手の6連敗は今後に気になるところか
ただ、後半戦初登板は21日のツインズ戦で、12日の前回登板から中8日と十分に間隔を空けた理由について、ゴームズGMは「オールスターブレーク後にしっかり数日間の休みを与えたかったからだ。そうすればオフの日に無理して球場に来て練習する必要もなく、通常の登板日に合わせてルーティン通り調整できる」と説明した。
確かに山本由伸など他の先発投手はオフも球場で練習しているが、二刀流の大谷がそれをしてしまうと負担が大きい。できるだけ試合に出場し、できるだけ休む――。この矛盾する2つの道を両立できないか、探っていることがうかがえた。
番記者がぶつけた“もう一つ気になる疑問”とは
もう一つ気になる疑問もぶつけた。
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ポストシーズンを含めて救援やDH以外の野手として出場することはないか。ロバーツ監督が昨年のプレーオフで「もしDH以外で出場するなら左翼」と語ったこともあったからだ。だが、ゴームズGMは「ない。彼はDH以外は先発投手に専念することになる」と明言。WBCのような救援や、エンゼルス時代に経験した外野でのプレーも見てみたいが、これは来年以降の可能性として引き続きケアしていきたい。
大谷は慣れた“定位置”はやはり居心地がいいようだった。試合は1点を先制した3回、1番・ベッツの中前打の後、2番・大谷はエンゼルス時代の同僚左腕ホセ・キンタナのシンカーを逆らわずに振り抜いた。打球は左翼後方のドジャース側ブルペンに着弾。2戦連発の34号2ランに本拠地は熱狂の渦に包まれた。
だが、勝利にはつながらない。
1点差に迫った9回は2死満塁でベッツの鋭い当たりが中飛。ポストシーズンで戦う可能性のある同一リーグのブルワーズに今季6戦全敗となり、ロバーツ監督は「まるで映画の脚本みたいな展開。打順を入れ替えた日にああいう場面で決めることを期待していた」と残念がった。ただ、大谷の一発が空砲に終わっても指揮官は「特に左投手相手に引っ張ろうとばかりしていないところがいい。間違いなくいい状態にあるし、チームにとって必要なことを全部やってくれている」と信頼を寄せた。
“日本的”なブルワーズ…秋に高い壁となるのでは
後半戦3連敗スタートで、ブルワーズには今季6戦全敗に終わった。
繰り返しになるが、“日本的”で細かい野球のブルワーズは強い。秋にまた高い壁となって立ちはだかることになる気がしてならなかった。〈つづく〉

