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「もっと強くならないと」ロッテ・中森俊介が語る“原点”の夏「9回大逆転、空白の青春…」明石商の盟友・来田涼斗(オリックス)と再会し蘇った思い
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/07/10 11:02

思い出深い球場で再開したロッテ・中森とオリックス・来田
どんなピンチの場面でも動じないメンタルは天性のものだ。
「プレッシャーとかはあんまり考えない。周りの目とか声は気にならない。登板する時はまずは全員を三振で打ち取るという事を目標にしている。それがダメだった時はどんな形であれ三者凡退。次に考えるのは走者を溜めても0点で抑えること」
「夕陽が綺麗だなあと思いました」
外的な要素で心を揺れ動かされることもない。ZOZOマリンスタジアムでマウンドまで向かうブルペンカーがアクシデントで急に使えなくなったことがあった。ブルペンで投げ終わって、その事実に直面すると「まあ、そういうこともあるかなあと思った」と颯爽と走ってマウンドへと向かった。
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「走っていくと風が気持ちいいなあと気付かされました。発見でした」と無失点で切り抜けチームを勝利に導くとケロリと話をした。大量リードから追い上げられて1点差で9回に登板をした6月22日のベイスターズ戦(横浜)も、周囲がプレッシャーを感じるなかで一人、冷静だった。
「初めてのデーゲームでのセーブシチュエーションだった。夕陽が綺麗だなあと思いました。ちょうどマウンドに向かう時、めちゃくちゃ照らされていた。ライトの辺りから太陽が綺麗に輝いて見えた」
真顔でそんな話をしていたのが印象的だった。
オールスター出場も…飛躍のとき
思い出のほっともっとフィールド神戸では残念ながらマウンドに上がる機会はなかった。高校野球ファン待望の対決は実現しなかったが、今年は8月27日にもう一度、ここでナイトゲームが予定されている。さらに結果を積み重ねた2人が対峙するシーンを思い描き、その時を待ちたい。
その前には球宴という夢舞台も待っている。
「多分1イニングだと思うので、全部、三振を取るイメージでいきたい」。相変わらずのポーカーフェイスで強気に言い切った。中森の夏が熱い。

