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“28歳で日本代表初招集”大橋祐紀とは何者か?「2年間で16カ月離脱」絶望から這い上がった“大器晩成FW”の逆転人生「何歳になっても諦めたくない」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2024/10/06 11:05
新天地ブラックバーンで得点を重ね、28歳で日本代表に初選出された大橋祐紀。プロキャリア初期はケガに悩まされ、苦しい日々を過ごした
「何歳になっても諦めたくない」代表への思いも口に
ヨーロッパでプレーするストライカーでは、大橋のかつてのチームメイトの町野修斗も結果を残している。ドイツ・ブンデスリーガに昇格したホルシュタイン・キールで、この25歳は開幕から5試合で4ゴールを記録している。6月の活動に招集されたパリ五輪世代の鈴木唯人は、デンマーク1部で10試合に出場して3得点1アシストの数字を残している。
森保監督も「同じ力を持っているのであれば、若い選手を招集するという考えはあるかもしれません。大橋はすでに28歳ということで、26年のワールドカップやその先までを見据えたときに、なかなかこれまでなかった(招集のパターン)かもしれません」と話している。
同時に、選手選考の大前提として森保監督は「その時々のベストのメンバーを招集する」というスタンスを貫いている。湘南、広島、ブラックバーンとチームを変えながら結果を出し続けている大橋は、招集にふさわしいタレントだ。
森保監督が言う。
「若手であれベテランであれ、明らかに結果を出している、存在感を発揮しているのであれば、誰にでもチャンスがある。大橋選手の招集で、色々な選手に日本代表として世界の舞台で戦いたい、と思ってもらえると嬉しい」
セルティックでプレーする古橋亨梧は、中央大学の2学年先輩だ。古橋や同級生の渡辺の代表入りには、「めちゃめちゃ刺激をもらっています」と話していたものだった。ベルマーレの得点源として注目を集めつつあった昨秋に、大橋ははっきりとした口調でこう話している。
「日本代表はもちろん目標です。何歳になっても諦めたくないし、向上心がなくなったら終わりだと思うので、そこはつねに意識したい。あと二段階、いや三段階くらいレベルアップしないといけないので、もっともっと頑張らなきゃいけないです」
年代別代表に選出されたことのない28歳は、日本代表にどんな化学反応を生み出すのか。主役にも黒子にもなれるこのストライカーは、チームに多くのものをもたらすことができる。