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“28歳で日本代表初招集”大橋祐紀とは何者か?「2年間で16カ月離脱」絶望から這い上がった“大器晩成FW”の逆転人生「何歳になっても諦めたくない」

posted2024/10/06 11:05

 
“28歳で日本代表初招集”大橋祐紀とは何者か?「2年間で16カ月離脱」絶望から這い上がった“大器晩成FW”の逆転人生「何歳になっても諦めたくない」<Number Web> photograph by Getty Images

新天地ブラックバーンで得点を重ね、28歳で日本代表に初選出された大橋祐紀。プロキャリア初期はケガに悩まされ、苦しい日々を過ごした

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 自ら大器晩成型と話す28歳が、ついに日の丸を身にまとう。

 今夏にサンフレッチェ広島からイングランド2部のブラックバーン・ローヴァーズに加入した大橋祐紀が、10月10日にサウジアラビアと、同15日にオーストラリアと戦う日本代表に招集されたのである。

日本代表の誰とも似ていない?「万能型FW」の持ち味

 1996年7月生まれは、鎌田大地、板倉滉、中山雄太らと同学年である。今冬のアジアカップに招集された渡辺剛は、中央大学の同級生だ。

 加入1年目のブラックバーンで、大橋は開幕から5戦4発といきなり結果を残した。5日のプリマス戦では先発から外れたものの、それまでは4試合連続でスタメンに名を連ねていた。「最旬」の選手と言っていい。

 プレースタイルは「万能型」である。

 浅野拓磨や前田大然のようなスピードはないが、DFラインの背後を取る動きは巧みだ。駆け引きをしながらスルリと抜け出し、ワンタッチでゴールできるポジションへ潜り込む。

 小川航基のようなストロングヘッダーではないが、空中戦は得意だ。今シーズン前半を過ごしたサンフレッチェ広島では、11ゴールのうち4ゴールをヘディングで決めている。ゴール前の狭いスペースへ、身体を投げ出して飛び込んでいける。

 上田綺世のようなポストワーカーでもないが、前線でしっかりと身体を張ることができる。ゴールに背を向けてボールをキープでき、周りの選手を使うことができる。

 利き足は右だが、左足のシュートにも無理がない。9月14日のブリストル・シティ戦では、右サイドから内側へ持ち込んで左足のコントロールショットを決めている。右足のシュートはパワフルで、左足は力みがないのだ。

「2年間で16カ月離脱」ケガに苦しんだキャリア初期

 2019年に湘南ベルマーレでスタートしたプロキャリアは、大きな苦しみから始まっている。プロ1年目に右足前十字靭帯損傷、外側側副靭帯損傷、大腿二頭筋損傷の大ケガを負った。全治まで8カ月を要した。

 プロ2年目の20年3月には、右反復性肩関節脱臼で全治5カ月の診断を受ける。同年8月にも左鎖骨骨折のケガを負い、3カ月の離脱を強いられた。プロ入りから2年の間に、合計16カ月もの時間をケガの治療とリハビリに費やしたのだった。

 ケガの連鎖をくぐり抜けたのちに、大橋はこう振り返っている。

【次ページ】 「覚醒」ではなかった得点量産の理由

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