「60点」ソフトバンク…戦力は充実していた

　今オフのソフトバンクはややおとなしく見えるが、ウィークポイントだった「右の大砲」を着実に補強した。

　山川を是が非でも獲得しなければいけなかった背景に、今シーズン、助っ人の大砲候補が軒並み活躍しなかった点があった。泉圭輔、高橋礼との交換トレードで、巨人からウォーカーも加入。事情を踏まえれば、理にかなった補強と言える。

　ただ昨季も、近藤健介、有原航平を高額で獲得していた。四軍まである育成システムは何のためにあるのか――。山川獲得を非難するソフトバンクファンの声には、そうした背景もあるのだろう。

12月19日、ソフトバンクの入団記者会見冒頭。頭を下げる山川穂高 ©JIJI PRESS

「30点」楽天…不安が勝る現状

　このストーブリーグで最も「戦う姿勢が見えなかった球団」が楽天だ。

　現役ドラフトでDeNAから桜井周斗を獲得。日本ハムを退団した山田遥楓を育成で獲得したのみで、大きな動きが見られない。新監督・今江敏晃の年俸も4000万円という報道もあった。

来季から楽天を率いる今江敏晃監督 ©Hideki Sugiyama

　クローザーの松井裕樹がメジャーに挑戦。その空いたポジションを則本昂大で埋めるビジョンは理解できる。ドラフトは毎年、うまく展開しているだけに、今季台頭した若い選手たちが一丸となってどれだけ勝利を拾っていけるかだろう。投手陣にはベテランは多いものの、野手陣は銀次が引退、炭谷も古巣・西武に戻った。鈴木大地、浅村栄斗らでどこまでチームをまとめられるか――。戦力面でみれば、不安が勝る。

〈つづく〉