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野球善哉BACK NUMBER
「中日の中田翔加入…やはり影響大」「巨人はピッチャー大補強、どうなる?」プロ野球の移籍“どこが成功した?” 本音で採点する《セ・リーグ編》
posted2023/12/23 11:06
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
JIJI PRESS
セ・リーグのストーブリーグは選手の“出入り”が激しかった。現役ドラフトでは下位球団が同一リーグから補強。移籍した選手の情報が共有され、もとより戦力が拮抗していることからも、来季の戦いは混迷を極めるだろう。
「70点」中日…中田翔はやはり大きい
最下位の中日は昨年オフに続き大きく動いた。
巨人から中島宏之、中田翔の右打者が加入。ソフトバンクを退団した上林誠知、阪神から山本泰寛を獲得し、貧打に喘いだ打線の強化に努めた。
なかでも中田の獲得は念願だっただろう。全盛期の怖さはないとはいえ、それでも球界屈指のパワーヒッターだ。主軸を担う可能性が高い。
中日の打線は昨季の最多安打・岡林勇希が今季も安定した力を発揮して1番打者として定着。昨年の現役ドラフトで獲得した細川成也が24本塁打と覚醒したものの、ほかに目立った選手は出てこなかった。そんな状況下での中田、そして代打の切り札として中島を獲得。ドラフトでも野手を4人指名しており、得点力アップの意図がうかがえる。
そうしたフロントの姿勢は一方で、指揮官にしてみれば逃げ道のなくなった編成ともいえる。
何かと騒がれることの多かった今年の中日だが、投手陣は先発10敗カルテットを生み出した。しかし、それは不名誉な記録というよりも、それほど信頼した投手が多くいたことの現れといえる。小笠原慎之介、柳裕也、髙橋宏斗、涌井秀章の防御率は決して悪くなかった。
加えて来季は、大野雄大が復帰する予定だ。クローザーのライデル・マルティネスも抜群の安定感を誇っているだけに、打てれば……上位進出は約束されたようなものである。指揮官にとっては勝負の来季。セ・リーグでは最高の補強だった。
「65点」巨人…投手陣を集中強化
今季4位の巨人は投手陣を充実させた。