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野球善哉BACK NUMBER
「山川穂高のソフトバンクより“高評価”の西武」「補強に失敗…100点中30点は?」プロ野球の移籍“どこが成功した?” 本音で採点《パ・リーグ編》
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/23 11:05
来季からソフトバンクでプレーする山川穂高。左が三笠杉彦GM
振り返れば今季の西武は、離脱者が続出し、苦しんだシーズンだった。その最たる例が、野球以外の問題で欠場となった山川である。ただ、そうした穴によって、多くの選手をテストできたことも事実だ。三塁手には佐藤龍世が台頭。シーズン中盤以降に出塁率を上げ、主力にまで成長した。2020年のドラフト1位の渡部健人も育っている。
加えて、捕手・炭谷銀仁朗が復帰。若い投手陣をまとめる存在になるはずだ。アスレチックスから獲得した大砲・アギラーはマキノン以上の破壊力に期待を寄せてのものだろう。渡部は台頭したとはいえ、覚醒までにあと1年かかるように見える。アギラーとの併用の中で、いかに飛躍できるかが鍵となる。
西武は現在、ファームシステムの改革の只中にいる。松井稼頭央監督以下、ほとんどのスタッフがコーチングやマネジメントの研修を受けている。ほかにも、トレーニングセンターを改修し、データサイエンティストの積極的活用、バイオメカニクス部門の充実、入団テストの抜本的な改革……と「育成のライオンズ」を目指す。山川やマキノンに大金を使わず、また大補強にも走らなかった理由にそうした事情があった。
「70点」オリックス…山本由伸を失うも「布陣は盤石」
オリックスは大エースの山本由伸をポスティング、山崎福也をFAで失ったものの、投手陣はもとより厚みがあった。今季の開幕投手を務めた山下舜平大というエース候補も成長している。
現役ドラフトでは中日から鈴木博志、トレードで日本ハムから吉田輝を獲得。ともに、元ドラフト1位投手で、彼らが「覚醒」すれば盤石の投手陣になる。
打線は広島から西川龍馬を獲得。打線に厚みを増しただけでなく、右打者に紅林弘太郎や頓宮裕真、左打者に森友哉と西川というバランスの良さも光る。投打が噛み合えば、来季も優勝戦線に加わる可能性が高い。