「これは天才的な大当たりだ。長年、遠藤のことを追っていたんだ」。遠藤を高く評価する関係者の一人からは、そんな言葉も届いたという。

　正直に明かせば、遠藤は、多くのリバプール・サポーターが待ち望んでいた“ワールドクラスの補強”ではなかった。入団が発表されると、「もっとビッグネームを」「若手選手を」といった厳しい意見も聞こえた。

　だが、ひとたびデビュー戦を終えると、風向きは変わった。遠藤の落ち着き払ったプレー、そして力強い守備に称賛の声が上がった。

　遠藤の実力を誰よりも信じていたクロップ監督は、入団初日に日本代表を抱きしめてこう言ったという。「君のハートやハードワーク、能力、サッカーIQ、そして勝利を求める強い気持ちが今のリバプールに必要なんだ」。

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　デビュー戦前にドイツ人指揮官は、「遠藤への疑念を抱いている人々はこれからその考えを大きく改めるだろう」と話していた。そんなクロップの期待通り、遠藤はプレミアリーグ第3節のニューカッスル戦で初先発。前半28分という早い時間帯にDFフィルジル・ファンダイクが退場処分となり、1人少ないリバプールは厳しい戦いを強いられた。それでもダルウィン・ヌニェスの2ゴールで劇的な逆転勝利を収めた。

　後半13分までプレーした遠藤にとっても難しい試合になった。広範囲を走って後半に疲れが見えたが、10人での戦いを強いられた中で、そのハードワークは評価したい。

　もちろん本人が「適応しなければ」と認めていたように、プレミアの水に慣れていくのはこれから。まずは上々のスタートを切ったと、そう言っていいだろう。

＜前編《エンドウの英語力》編から続く＞

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