Jをめぐる冒険BACK NUMBER
〈再びケガ人続出!〉ドイツ戦出番なしの谷口彰悟と守田英正に渦巻く本音「俺を出せと思えなければ…」早くも問われる総力戦
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/11/25 17:45
ドイツ戦翌日のトレーニングでの谷口彰悟と守田英正。初戦出番なしという事実を反骨心にするはず
ところが、10月に出場したチャンピオンズリーグのトッテナム戦で、古傷である左ふくらはぎを傷めてしまう。代表チーム合流後も違和感のため、しばらく別メニューでの調整を余儀なくされた。
守田の中で悔しさが渦巻いていることは、こんな言葉からもうかがえた。コスタリカ戦での先発出場について問われた守田は、こう答えたのだ。
「全然いけます。別にドイツ戦でもいけました」
コスタリカ戦はメンバー大幅入れ替えが予想されている
もっとも、彼らが悔しさをぶつけるときは、すぐにでも訪れるだろう。
27日に行われるコスタリカとの第2戦では、メンバーを大きく入れ替えることが予想されるからだ。
森保一監督がターンオーバーのプランを明らかにしたのは、9月シリーズのエクアドル戦前日のことだった。やると決めたわけではない、と前置きしたうえで、こう続けた。
「選手たちは普段から厳しい環境の中で、インテンシティの高い試合を経験しているが、ドイツ戦では、W杯初戦のプレッシャーや相手との力関係で、おそらく想像以上に大きなエネルギーを使うことになる。中3日では心身ともに回復できないくらいの戦いをしなければ、勝つことは難しい。
そう考えると、一部の選手でチーム力を積み上げるのではなく、2チーム分の戦力を維持して、疲弊した選手を入れ替える。もっと言うと、1試合ずつチームを入れ替えながら戦っていけるような準備をしないと、我々が目標とするところ、ベスト16の壁を破ってベスト8以上に行くのは難しい。W杯過去6回の出場で届いていないところに行くには、同じことをやっていても到達できない。覚悟をもって準備する必要がある」
つまり、ドイツ戦、コスタリカ戦、スペイン戦はメンバーを大幅に入れ替えながら、できるだけフレッシュな選手をピッチに送り込もうというわけだ。
激闘の代償か、酒井と冨安の姿はなかったが
実際、初戦での消耗度は激しいのひと言だった。
ドイツ戦翌日のトレーニングに、酒井宏樹と冨安の姿はなかった。酒井は左の腿裏に違和感があるため、病院に向かったという。冨安も右腿裏に違和感を覚え、トレーニングを取りやめた。激闘の代償と言うべきだろうか。
酒井の受傷を受けて右サイドバックでプレーする可能性が生まれた長友佑都は、しかし、戦力ダウンの懸念を一掃する。