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〈再びケガ人続出!〉ドイツ戦出番なしの谷口彰悟と守田英正に渦巻く本音「俺を出せと思えなければ…」早くも問われる総力戦
posted2022/11/25 17:45
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Takuya Kaneko/JMPA
ドイツ代表からの歴史的勝利に仲間たちと喜びを爆発させ、しばらく余韻に浸ったあと、谷口彰悟が思い浮かべたのは翌日のことだった。
「とにかく今日のトレーニングがすごく楽しみだったし、早く練習をやりたいな、って昨日の試合を終えた時点で思ったんですよね」
谷口がすぐにでもボールを蹴りたくなったのは、ドイツ戦のピッチに立てなかったからだ。
メンタルのコントロールは簡単ではなくても
目の前であんな劇的なゲームを見せつけられて、体が疼かないサッカー選手はいないだろう。
ましてやセンターバックである谷口は、ベンチにいる他の選手より少しばかり多くの悔しさを味わった。
ドイツ戦のハーフタイム、森保一監督はセンターバックを投入し、3バックに変更する決断を下す。選ばれたのは、負傷明けで、11月17日に行われたカナダとの親善試合を欠場した冨安健洋だった。
俺を出せよ――。
この場面でそう思えないなら、日本代表にいる資格はないだろう。
「もちろん、悔しかったです。(メンタルのコントロールは)簡単ではないですよ。でも、そこはもう、いつ出番が来てもいいように準備をしていくしかない。監督、コーチが決断したことなので、それに対して何かアクションするということは、僕は無駄なパワーだと思っていて。そのパワーを他のことに使いたい」
だから、谷口はドイツ戦のあと、すぐにでもトレーニングをしたかったのだ。
守田も「悔しいですね」と繰り返した
左ふくらはぎの違和感によって出遅れた守田英正も、自身の気持ちを素直に口にした。
「刺激を受けました。出なかった選手はやはり悔しかった部分があると思うし、途中から出場した選手がああいう形で結果を残したので、チームとして素晴らしい。出られなかった選手も次、自分の番が来たときにちゃんと準備をしておけば、結果を残せるという前例ができたと思う」
そう語ったあと、さらにもう一度「悔しいですね」と繰り返した。
守田もまた、谷口と理由は異なるが、少しばかり多くの悔しさを溜め込んだひとりだ。
2021年10月、W杯アジア最終予選のオーストラリア戦でスタメンに抜擢されて以降、代表チームにおける守田の存在感は試合を重ねるごとに大きくなっていった。
9月シリーズのアメリカ戦では主軸に相応しいプレーを見せ、ドイツ戦のスタメンも確実視されていた。